第17回日本レコード大賞

第17回日本レコード大賞の概要

1975年12月31日、帝国劇場にて第17回日本レコード大賞が開催されました。この年の大賞に輝いたのは、布施明の名曲「シクラメンのかほり」で、彼にとっては初の受賞となりました。大賞の発表は、テレビ番組で知られる押阪忍が担当しました。

受賞者と候補曲

大賞を受賞した「シクラメンのかほり」は、その美しいメロディと歌詞で聴衆の心を掴みました。また、最優秀歌唱賞には五木ひろしの「千曲川」が選ばれ、彼は前年に続き、2年連続での受賞を果たしました。この年から1977年までの期間は、正式に「大賞候補ベストテン」として10曲が選ばれ、その中から最優秀賞と最優秀歌唱賞が決定されました。この方式は、1978年からの「金賞」の基盤となったと言われています。

大賞候補ベストテン

この年の大賞候補ベストテンには以下の10曲が名を連ねました：

• - 「シクラメンのかほり」 - 布施明
• - 「千曲川」 - 五木ひろし (最優秀歌唱賞)
• - 「私鉄沿線」 - 野口五郎 (歌唱賞)
• - 「人恋しくて」 - 南沙織 (歌唱賞)
• - 「花車」 - 小柳ルミ子 (歌唱賞)
• - 「あゝ人恋し」 - 森進一
• - 「中の島ブルース」 - 内山田洋とクール・ファイブ
• - 「この愛のときめき」 - 西城秀樹
• - 「時の過ぎゆくままに」 - 沢田研二
• - 「ともしび」 - 八代亜紀

ここで特に注目すべきは、最優秀新人賞の受賞についてです。激しい競争の末、細川たかしの「心のこり」が受賞しました。彼の成長を予感させる結果でした。また、この年の視聴率は43.0%と、前年から2.7ポイントの減少となりましたが、それでも多くのファンがこの音楽の祭典を見守りました。

司会者と運営

今回の日本レコード大賞では、高橋圭三、森光子、小川哲哉が司会を務めました。特に高橋圭三は7回目の司会となり、安定した進行を見せました。小川哲哉はレポーターとしても活躍し、記憶に残るインタビューを行いました。フジテレビを中心に放送され、近畿地区では中継が毎日放送に変更されました。

特筆すべき出来事

大晦日の放送では、当時人気の新御三家のうち、郷ひろみだけが受賞を逃しました。このことは後にファンの間で話題となり、彼にインタビューを行うシーンもありました。郷は翌年に大衆賞を受賞し、一層の活躍を見せます。

まとめ

第17回日本レコード大賞は、音楽業界における重要なイベントとして位置付けられています。この年の受賞者たち、特に布施明や五木ひろしの活躍は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。また、視聴率や中継の変更、個性的な司会者たちの存在が、放送の中身をより引き立てる要素となりました。音楽ファンにとって、473回の歴史の中で、この回は特別な意味を持つものとなっていることでしょう。

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