第21軍団 (北軍)

北軍第21軍団の概要

南北戦争中の1863年1月から10月にかけて、北軍のカンバーランド軍に所属していた第21軍団は、ウィリアム・ローズクランズ少将の指揮下で活動した短命の軍団です。この軍団は、カンバーランド軍の再編によって誕生し、重要な戦闘に参加しましたが、その歴史は短く、大規模な再編を経て解散しました。

軍団の成立と初期の活動

ストーンズリバーの戦いの後、ローズクランズ少将はカンバーランド軍の組織を再編しました。それまでの「翼（Wing）」という区分を廃止し、より組織化された軍団制を導入しました。この再編により、トマス・L・クリッテンデン少将が指揮していた左翼が第21軍団として再編されました。同時に、右翼は第20軍団に、中央翼は第14軍団にそれぞれ名称が変更されました。これにより、カンバーランド軍はより効率的な指揮系統を持つこととなりました。

チカマウガの戦いと壊滅

第21軍団は、カンバーランド軍が展開したタラホーマ方面作戦に参加しました。そして、1863年9月19日から20日にかけてのチカマウガの戦いにおいて、第21軍団は壊滅的な損害を受けました。ローズクランズ少将は、トーマス・ウッド准将の師団をジョージ・ヘンリー・トーマス少将の第14軍団の支援に回したことが、戦況を大きく左右しました。この判断ミスが、南軍のジェイムズ・ロングストリート中将による北軍中央突破を許す結果となりました。

しかし、第21軍団の部隊、特にウィリアム・パーマー准将の師団は、トーマスのスノッドグラスヒルにおける後衛戦を支援し、その撤退を成功させることに貢献しました。この戦いでの彼らの勇敢な行動は特筆に値します。彼らの努力がなければ、北軍の撤退はさらに混乱を極めた可能性がありました。

軍団の解散と再編

チカマウガの戦いでの大損害の後、第21軍団は再編を余儀なくされました。残存部隊は第20軍団と統合され、新たに第4軍団として再編されました。この再編により、第21軍団は歴史から姿を消すこととなりました。しかし、その短期間の活動と、チカマウガの戦いでの激戦は、南北戦争史において重要な出来事として記録されています。

第21軍団の歴史は、軍隊組織の再編、指揮官の判断、そして兵士たちの勇気が、戦況をいかに左右するかを物語る一例として、後世に教訓を残しています。短期間ではありましたが、彼らの戦いは南北戦争の歴史の中で重要な一部分を担っています。

参考資料

* XXI Corps history

もう一度検索