カンバーランド軍

カンバーランド軍：南北戦争における北[[軍]]の主力

カンバーランド軍（Army of the Cumberland）は、アメリカ南北戦争の西部戦線において、北[[軍]]の主力として活躍した軍です。当初はオハイオ[[軍]]として知られていましたが、その後の変遷を経てカンバーランド軍となりました。この軍は、数々の重要な戦いに参加し、その歴史は北[[軍]]の勝利に大きく貢献しました。

歴史

カンバーランド軍の歴史は、1861年11月にドン・カルロス・ビューエル少将の指揮下で設立されたオハイオ[[軍]]に遡ります。その後、ウィリアム・ローズクランズ少将が軍司令官に就任し、カンバーランド軍管区の司令官も兼任したことで、軍の名称もカンバーランド軍に変更されました。ローズクランズが司令官となった当初、カンバーランド軍は第14軍団のみで構成され、右翼をアレクサンダー・マクック、中央翼をジョージ・ヘンリー・トーマス、左翼をトマス・L・クリッテンデンがそれぞれ指揮しました。

1862年10月24日、第14軍団に加えてユリシーズ・グラント少将の第13軍団がカンバーランド軍に編入されました。カンバーランド軍が最初に大規模な戦闘に参戦したのは、1862年12月31日から1863年1月2日にかけて行われたストーンズリバーの戦いです。その後、第14軍団は分割され、以前の中央翼が第14軍団の名称を継承し、右翼は第20軍団、左翼は第21軍団となりました。ローズクランズは引き続き軍司令官を務め、タラホーマ方面作戦やチカマウガの戦いを指揮しました。

チカマウガの戦いで敗北したカンバーランド軍は、テネシー州チャタヌーガに後退し、南軍に包囲されました。その後、ユリシーズ・グラントがミシシッピ方面軍の総司令官に就任し、カンバーランド軍とテネシー軍を傘下に収め、ポトマック[[軍]]からの援軍を得てチャタヌーガを解放しました。ローズクランズは指揮官として尊敬を集めていましたが、チカマウガでの敗北とチャタヌーガでの包囲を打開できなかった責任を問われ、グラントによって解任され、後任にはジョージ・ヘンリー・トーマスが就任しました。

第三次チャタヌーガの戦いにおいて、グラントはチカマウガでの敗戦によって士気が低下していることを懸念し、カンバーランド軍を主要な戦闘に投入することを躊躇しました。代わりに、ゲティスバーグの戦いで勝利したポトマック[[軍]]からの援軍をルックアウト山の奪取に、またビックスバーグの包囲戦に勝利したテネシー軍をミッショナリーリッジの南軍右翼攻撃に投入しました。カンバーランド軍に与えられた任務は、ミッショナリーリッジの麓の拠点を制圧するというものでしたが、拠点を制圧後、カンバーランド軍の4個師団（うち1つはフィリップ・シェリダンが指揮）が山上に向けて突撃し、南軍の中央を攻撃しました。この予想外の行動にグラントは激怒し、トーマスと軍団長のゴードン・グランジャーに誰が命令したのかを尋ねましたが、両者とも知らないと答えました。グランジャーは「彼らが始めたら、もう誰も止められない」と述べたといいます。

チャタヌーガでの勝利後、グラントは北[[軍]]総司令官に就任し、後任としてウィリアム・シャーマンが西部の全軍を統括するミシシッピ方面軍の司令官となりました。シャーマンは、カンバーランド軍、テネシー軍、オハイオ[[軍]]から構成される「軍集団」を編成し、1864年5月にアトランタ方面作戦を開始しました。アトランタへの進軍中、ケネソー山の戦いを含む数々の戦闘が発生しました。同年9月、アトランタはシャーマンの軍集団によって陥落し、南軍のジョン・ベル・フッドは北へ撤退しました。シャーマン自身はフッドの残存部隊を追撃せず、トーマスを指揮官として、カンバーランド軍の一部部隊とオハイオ[[軍]]にフッドを追わせました。トーマスはナッシュビルの戦いでフッドを撃破し、これがカンバーランド軍にとって最後の主要な戦いとなりました。カンバーランド軍の他の部隊は、シャーマンとともにサウスカロライナ州とノースカロライナ州を通過して海に向かいました。これらの部隊は「ジョージア軍」と呼ばれ、1865年にはワシントンD.C.での大観閲式に参加しました。

歴代軍司令官

ドン・カルロス・ビューエル少将（オハイオ[[軍]]時代）
ウィリアム・ローズクランズ少将
ジョージ・ヘンリー・トーマス少将

戦闘序列

ストーンズリバーの戦い

軍司令官：ローズクランズ少将

チカマウガの戦い

軍司令官：ローズクランズ少将

チャタヌーガ方面作戦

軍司令官：ローズクランズ少将
他にポトマック[[軍]]から2個軍団、テネシー軍から2個軍団が参戦。総指揮官はユリシーズ・グラント少将

アトランタ方面作戦

軍司令官：トーマス少将
他にテネシー軍から3個軍団、オハイオ[[軍]]（新設）から1個軍団が参戦。総指揮官はウィリアム・シャーマン少将。

参考資料

Eicher, John H., and David J. Eicher. Civil War High Commands. Stanford, CA: Stanford University Press, 2001. ISBN 0-8047-3641-3.
Organization of U.S. Forces in the Civil War

関連資料

Daniel, Larry J. Days of Glory: The Army of the Cumberland, 1861–1865. Baton Rouge: Louisiana State University Press, 2004. ISBN 978-0-8071-3191-6.
Hunt, Robert Eno. The Good Men Who Won the War: Army of the Cumberland Veterans and Emancipation Memory. Tuscaloosa: University of Alabama Press, 2010. ISBN 978-0-8173-1688-4.
Prokopowicz, Gerald J. All for the Regiment: The Army of the Ohio, 1861–1862. Chapel Hill: University of North Carolina Press, 2001. ISBN 0-8078-2626-X.
Van Horne, Thomas B. The Army of the Cumberland: Its Organizations, Campaigns, and Battles. New York: Smithmark Publishers, 1996. ISBN 0-8317-5621-7. First published 1885 by Robert Clarke & Co.
Cist, Henry M. "The Army of the Cumberland" Edison, NY, Castle Books, ISBN 0-7858-1579-1. First Published 1882, Cist, a general in the army, is considered the definitive work on the Army of the Cumberland.

外部リンク

* Army Organization during the Civil War

カンバーランド軍は、その歴史の中で多くの変遷を経験し、数々の戦いを経て北[[軍]]の勝利に大きく貢献しました。その詳細な歴史を辿ることで、南北戦争における北[[軍]]の戦略や戦術、そして兵士たちの奮闘をより深く理解することができるでしょう。

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