第34回グラミー賞

第34回グラミー賞：音楽史に輝く一夜

1992年2月25日、ニューヨーク市のラジオシティ・ミュージックホールで、第34回グラミー賞授賞式が華々しく開催されました。司会は、人気コメディエンヌのウーピー・ゴールドバーグが務め、会場を沸かせました。

主要部門の行方

この年のグラミー賞で最も注目を集めたのは、ナタリー・コールの活躍でした。彼女は、主要4部門のうち「最優秀レコード賞」「最優秀アルバム賞」「最優秀楽曲賞」の3部門を制覇し、合計7部門で受賞するという快挙を達成しました。特に、亡き父ナット・キング・コールの名曲をデュエットした「アンフォゲッタブル」は、世代を超えて愛される名曲として、改めて評価されることとなりました。

その他、最優秀新人賞にはマーク・コーンが輝き、ボーイズIIメン、C+C Music Factory、Color Me Badd、シールといった、その後の音楽シーンを牽引するアーティストたちがノミネートされていました。

多彩なジャンルの受賞者たち

ポップス部門では、ボニー・レイットが「Something to Talk About」で最優秀ポップ・ボーカル・パフォーマンス（女性）賞を、マイケル・ボルトンが「When a Man Loves a Woman」で最優秀ポップ・ボーカル・パフォーマンス（男性）賞をそれぞれ受賞しました。また、R.E.M.は「Losing My Religion」で最優秀ポップ・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）賞を獲得しました。

ロック部門では、ボニー・レイットがソロとデュオの両方で受賞し、エリック・ジョンソンのインストゥルメンタル曲「Cliffs of Dover」が評価されました。ハードロック部門ではヴァン・ヘイレン、メタル部門ではメタリカがそれぞれ受賞し、ヘヴィミュージックの隆盛を象徴しました。

R&B部門では、リサ・フィッシャーとパティ・ラベルが最優秀R&Bパフォーマンス（女性）賞を同時受賞し、ルーサー・ヴァンドロスが最優秀R&Bパフォーマンス（男性）賞を受賞しました。ボーイズIIメンは「クーリーハイハーモニー」で最優秀R&Bパフォーマンス（デュオもしくはグループ）賞を獲得し、そのハーモニーの美しさを世に知らしめました。

ラップ部門では、LL・クール・Jが「Mama Said Knock You Out」で、DJ・ジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスが「Summertime」でそれぞれ受賞し、ラップミュージックの多様性を示しました。

カントリー部門では、メアリー・チェイピン・カーペンター、ガース・ブルックス、ザ・ジャッズなどが受賞し、カントリーミュージックの魅力を伝えました。

ジャズ部門では、スタン・ゲッツ、オスカー・ピーターソン・トリオ、ディジー・ガレスピーなどが受賞し、ジャズの奥深さを表現しました。

特別功労賞とミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー

この年のグラミー賞では、ジェームス・ブラウン、ジョン・コルトレーン、ジミ・ヘンドリックス、マディ・ウォーターズの4人が特別功労賞を受賞し、長年の音楽界への貢献が称えられました。また、ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤーには、ボニー・レイットが選ばれました。

第34回グラミー賞は、ナタリー・コールの歴史的な勝利をはじめ、多様なジャンルの音楽家たちがそれぞれの才能を認められた、記憶に残る一夜となりました。また、音楽界のレジェンドたちの功績が讃えられた、感動的な授賞式でもありました。

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