第51回グラミー賞

第51回グラミー賞詳細解説：音楽界の祭典を振り返る

第51回グラミー賞は、2009年2月8日にロサンゼルスのステイプルズ・センターで開催され、音楽界の一年を締めくくる華やかな祭典となりました。テレビ中継はCBS、日本ではWOWOWで放送され、ラジオではInterFMがその模様を伝えました。

ノミネーション発表と主要4部門

通常非公開で行われるノミネート発表は、この年からグラミー博物館に隣接するノキア・シアターでCBSの特別番組として公開されました。LL・クール・Jとテイラー・スウィフトがMCを務めるノミネーションコンサートも開催され、授賞式への期待を高めました。

主要4部門のノミネートと受賞結果は以下の通りです。

年間最優秀レコード賞
受賞: "Please Read the Letter" - ロバート・プラント＆アリソン・クラウス
候補: "Chasing Pavements" - アデル、"美しき生命（Viva la Vida）" - コールドプレイ、"ブリーディング・ラヴ（Bleeding Love）" - レオナ・ルイス、"Paper Planes" - M.I.A.
年間最優秀アルバム賞
受賞: 『レイジング・サンド（Raising Sand）』 - ロバート・プラント＆アリソン・クラウス
候補: 『美しき生命（Viva la Vida or Death and All His Friends）』 - コールドプレイ、『カーターIII（Tha Carter III）』 - リル・ウェイン、『イヤー・オブ・ザ・ジェントルマン（Year of the Gentleman）』 - ニーヨ、『イン・レインボウズ（In Rainbows）』 - レディオヘッド
年間最優秀楽曲賞
受賞: "美しき生命（Viva la Vida）"（コールドプレイ）
候補: "American Boy" （エステル featuring カニエ・ウェスト）、"Chasing Pavements"（アデル）、"I'm Yours"（ジェイソン・ムラーズ）、"Love Song"（サラ・バレリス）
最優秀新人賞
受賞: アデル
候補: ダフィー、ジョナス・ブラザーズ、レディ・アンテベラム、ジャズミン・サリヴァン

ロバート・プラントとアリソン・クラウスの『レイジング・サンド』は、年間最優秀レコード賞と年間最優秀アルバム賞を含む主要3部門を制覇し、計5冠という大きな成功を収めました。

主要ジャンルの受賞結果

主要ジャンルにおける受賞結果は以下の通りです。

ポップ
最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス: アデル - "Chasing Pavements"
最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス: ジョン・メイヤー - "Say"
最優秀ポップ・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）: コールドプレイ - "Viva la Vida"
最優秀ポップ・コラボレーション: ロバート・プラント＆アリソン・クラウス - "Rich Woman"
最優秀ポップ・インストゥルメンタル: イーグルス - "I Dreamed There Was No War"
最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム: ベラ・フレック＆ザ・フレックトーンズ - 『Jingle All the Way』
最優秀ポップ・ボーカル・アルバム: ダフィー - 『ロックフェリー（Rockferry）』
ダンス
最優秀ダンス録音: ダフト・パンク - "Harder, Better, Faster, Stronger (Alive 2007)"
最優秀エレクトロニック/ダンス・アルバム: ダフト・パンク - 『ピラミッド大作戦（Alive 2007）』
ロック
最優秀ソロ・ロック・ボーカル・パフォーマンス: ジョン・メイヤー - "Gravity"
最優秀ロック・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）: キングス・オブ・レオン - "Sex on Fire"
最優秀ハードロック・パフォーマンス: マーズ・ヴォルタ - "Wax Simulacra"
最優秀メタル・パフォーマンス: メタリカ - "My Apocalypse"
最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス: ザッパ・プレイズ・ザッパ featuring スティーヴ・ヴァイ＆Napoleon Murphy Brock - "ピーチズ・エン・レガリア"
最優秀ロック・ソング: ブルース・スプリングスティーン - "Girls in Their Summer Clothes"
最優秀ロック・アルバム: コールドプレイ - 『美しき生命（Viva la Vida or Death and All His Friends）』
R&B
最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス: アリシア・キーズ - "Superwoman"
最優秀男性R&Bボーカル・パフォーマンス: ニーヨ - "Miss Independent"
最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）: アル・グリーン＆ジョン・レジェンド - "Stay with Me (By the Sea)"
最優秀R&Bソング: ニーヨ - "Miss Independent"
最優秀R&Bアルバム: ジェニファー・ハドソン - 『ジェニファー・ハドソン（Jennifer Hudson）』
最優秀コンテンポラリーR&Bアルバム: メアリー・J. ブライジ - 『グロウイング・ペインズ（Growing Pains）』
ラップ
最優秀ラップ・パフォーマンス（ソロ）: リル・ウェイン - "A Milli"
最優秀ラップ・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）: ジェイZ＆T.I. featuring カニエ・ウェスト＆リル・ウェイン - "Swagga Like Us"
最優秀ラップ／サング・コラボレーション: エステル featuring カニエ・ウェスト - "American Boy"
* 最優秀ラップ・アルバム: リル・ウェイン - 『Tha Carter III』

その他のジャンル

カントリー、ジャズ、ゴスペル、ラテン、ブルース、フォーク、ワールドミュージックなど、多岐にわたるジャンルでも素晴らしい音楽が評価され、各賞が授与されました。

特別賞

ニール・ダイアモンドがミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞し、ジーン・オートリー、ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ、ザ・フォー・トップス、ハンク・ジョーンズ、ブレンダ・リー、ディーン・マーティン、Tom Paxtonが生涯業績賞を受賞しました。

授賞式をめぐる出来事

授賞式当日、クリス・ブラウンとその恋人とされていたリアーナが欠席するという出来事がありました。主催者側は直前に知らされ、理由は十分に説明されなかったものの、ブラウンが女性への暴行容疑で逮捕され、被害者がリアーナであることが後に判明しました。リアーナの代役として、ジャスティン・ティンバーレイクとアル・グリーンが急遽ステージに上がりました。

第51回グラミー賞は、数々の感動的なパフォーマンスと音楽業界の才能が集結した、記憶に残る一夜となりました。

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