等々力 (川崎市)

神奈川県川崎市中原区の等々力

等々力（とどろき）は、神奈川県川崎市中原区の北部に位置する町名で、多摩川に面しています。この地域は、多摩川を挟んで東京都世田谷区にも同名の地名が存在することで知られており、両者は歴史的に深い繋がりがあります。

地理

等々力は、多摩川に沿って細長く伸びた地形をしており、その大部分が等々力緑地として整備されています。この緑地内には、川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力陸上競技場や、川崎市とどろきアリーナといったスポーツ施設、川崎市市民ミュージアムなどの文化施設が集積しています。北端では多摩川を挟んで東京都世田谷区や大田区と、南東端では小杉陣屋町や小杉御殿町、西端では宮内と隣接しています。

歴史

等々力は、もともと多摩川が大きく蛇行していた場所に突き出した半島状の土地でした。しかし、洪水の頻発や多摩川の流路変更によって、対岸の飛び地となりました。江戸時代には、旧河道の土地をめぐって等々力村と小杉村の間で境界争いが起こり、宮内村が仲介に入り、幕府の裁定によって境界が定められました。この裁定には、大岡越前守の名も記録されています。明治時代に入り、多摩川に沿って府県境が引き直され、等々力は神奈川県に編入されました。

大正時代には、多摩川の堤防が築かれ、酪農なども行われましたが、その後、多摩川の砂利が大量に埋まっていることが判明し、採掘が進められました。この採掘によって、「七つが池」と呼ばれる池群が誕生しましたが、昭和30年代には埋め立てられ、住宅地へと姿を変えました。一方で、等々力緑地の整備も進められ、現在の都市公園としての姿が形成されました。現在も緑地内に残る釣池は、「七つが池」の一つである五号池の名残です。

地名の由来

地名の由来には諸説ありますが、有力なのは、対岸にある谷沢川が多摩川に合流する地点や、谷沢川の途中にある不動の滝での水の轟音が由来とする説です。戦国時代の文献には「とどろ木」や「兎々呂城」といった形でその名が残っており、江戸時代になって「等々力」の字が当てられました。

沿革

1551年（天文20年）：吉良頼康判物に「とどろ木」の形で登場。
1717年（享保2年）：小杉村との間で境界争いが発生し、宮内村の仲介で解決。
1725年（享保10年）：田中休愚による多摩川の瀬替えにより、対岸の飛び地となる。
1889年（明治22年）：町村制施行により玉川村が成立し、東京府荏原郡玉川村大字等々力の一部となる。
1912年（明治45年）：府県境が多摩川に変更され、神奈川県橘樹郡中原村大字等々力の一部となる。
1923年（大正12年）：関東大震災後の復興需要で多摩川の砂利採取が活発化。
1925年（大正14年）：中原村と住吉村が合併し、中原町となり、中原町大字等々力の一部となる。
1932年（昭和7年）：中原町が川崎市に編入され、川崎市大字等々力の一部となる。
1936年（昭和11年）：二子橋以南での砂利採取が禁止され、当地では陸掘りが行われ、「七つが池」が形成。
1959年（昭和34年）：水道が開通。等々力町内会が発足。
1966年（昭和41年）：等々力陸上競技場が開場。
1972年（昭和47年）：川崎市が政令指定都市に移行し、川崎市中原区大字等々力の一部となる。
1988年（昭和63年）：川崎市市民ミュージアムが開館。
1992年（平成4年）：Jリーグが開幕し、ヴェルディ川崎が等々力陸上競技場を本拠地とする（2001年に東京へ移転）。
1994年（平成6年）：住居表示が実施され、川崎市中原区等々力となる。
1995年（平成7年）：川崎市とどろきアリーナが開館。
1999年（平成11年）：川崎フロンターレが等々力陸上競技場を本拠地としてJ2に参入。

町域の新旧対照

1994年の住居表示実施時に、宮内字中河原耕地・字下河原耕地、小杉字堤外の一部が等々力に編入されました。

世帯数と人口

詳細は省略します。

学区

詳細は省略します。

事業所

詳細は省略します。

交通

鉄道

現在、等々力には鉄道駅は存在しません。かつては川崎縦貫高速鉄道の計画がありましたが、2015年に休止となっています。

バス

東急バスと川崎市交通局が、川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵中原駅、武蔵溝ノ口駅などへ向かうバス路線を運行しています。

道路

多摩沿線道路と国道409号（府中街道）が近くを通っています。

施設

等々力緑地
等々力陸上競技場
川崎市等々力球場
川崎市とどろきアリーナ
川崎市市民ミュージアム
等々力緑地釣池

主な出身者

松島勇気（ミュージカル俳優）

その他

郵便番号：211-0052（中原郵便局管轄）
警察：詳細は省略します。

関連項目

等々力 (世田谷区)
等々力 (曖昧さ回避)

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