筑摩神社 (松本市)

筑摩神社

筑摩神社は、長野県松本市筑摩に位置する神社で、地元の人々から深く信仰されています。この神社は、息長帯比売命（神功皇后）、誉田別命（応神天皇）の二柱の八幡神と、多紀利比売命、狭依比売命、多岐津比売命の三柱の宗像三女神を祀っています。

歴史

神社の創建は、延暦13年（794年）に石清水八幡宮から勧請を受けたことに始まります。創建当初は「正八幡宮」とも呼ばれていました。信濃国府が筑摩郡に移されてからは「国府八幡宮」とも称されるようになり、室町時代以降は清和源氏である小笠原氏の祖神として、特に崇敬を集めました。

境内

境内で最も注目すべきは、室町時代の建築様式を今に伝える本殿です。この本殿は、永享8年（1436年）に焼失したものの、同11年（1439年）に小笠原政康によって再建されました。松本地方に現存する最古の建造物として、国の重要文化財に指定されています。

また、拝殿は慶長15年（1610年）に松本藩主の石川康長によって造営されたもので、長野県宝に指定されています。さらに、筑摩神社の別当寺であった安養寺（現在は廃寺）の梵鐘は、永正11年（1514年）に小笠原長棟が寄進したもので、松本市指定重要文化財となっています。

文化財

筑摩神社には、以下のような貴重な文化財があります。

重要文化財（国指定）

本殿
小笠原政康が永享11年（1439年）に寄進した、三間社流造、檜皮葺の建物です。松本地方で最も古い建造物とされており、元和元年（1616年）の修理棟札が残っています。

長野県宝（長野県指定有形文化財）

拝殿
入母屋造、こけら葺の建物で、造営棟札から慶長15年（1610年）の建築とされています。

松本市重要文化財

梵鐘

アクセス

松本電鉄バス中山線「筑摩」バス停から徒歩5分。
松本電鉄バスタウンスニーカー南コース・並柳団地線「筑摩小学校口」バス停から徒歩10分少々。

中山線は土日祝日が運休であるため、観光で訪れる際は「筑摩小学校口」バス停の利用がおすすめです。また、両バス停で運賃が異なる点にもご注意ください。

参考文献

谷川健一 編『日本の神々 -神社と聖地- 9 美濃・飛騨・信濃』2000年 白水社
「長野県史　美術建築資料編」　長野県史刊行会　平成2年(1990年)発行

関連項目

神宮寺
艦内神社として
筑摩 (重巡洋艦)
松本市の名所・旧跡
松本市の歴史

外部リンク

* 筑摩神社 - ウェイバックマシン（2001年4月25日アーカイブ分）

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