箱崎水族館

箱崎水族館

箱崎水族館は、1910年（明治43年）3月24日に、第13回九州沖縄八県連合共進会の付帯施設として開館しました。九州で初めての本格的な水族館として、当時大変な人気を集めました。場所は福岡市（現在の東区）の箱崎浜にあり、2階建てで敷地面積は2,300平方メートルでした。

館内には、博多湾近海に生息するタイ、サバ、タコなどが展示され、その他にもニホンアシカ、ワニ、サンショウウオなど、多種多様な生き物が飼育されていました。また、作家の夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』に登場する水族館のモデルになったとも言われています。

しかし、1935年（昭和10年）に、敷地の大部分が国道3号線（当時は国道2号線）の拡張工事にかかったため、惜しまれながら閉館しました（1931年（昭和6年）に廃止されたとする資料もあります）。

福岡水族館

箱崎水族館の閉館から20年以上経った1957年（昭和32年）4月14日には、近隣の筥崎宮参道脇に福岡水族館が開館しました。鉄筋2階建て、延べ床面積4,000坪という大規模な施設で、28個の水槽と3つのプールが設けられていました。

館内では、海水魚と淡水魚合わせて約100種、熱帯魚約60種が展示され、ペンギンも飼育されていました。当時の福岡市民にとって、新たなレジャースポットとして親しまれました。

1964年4月20日には、当時飼育されていたコウテイペンギン1羽が長崎水族館に寄贈されました。長崎水族館には、同年3月29日にコウテイペンギン「フジ」が来館しており、このペンギンは「フジ」に続く2羽目となりました。しかし、残念ながら、このコウテイペンギンは1967年6月12日に呼吸器系の疾患により死亡しました。

福岡水族館も、1968年（昭和43年）8月に閉館し、その歴史に幕を閉じました。

関連項目

* マリンワールド海の中道 - 現在、福岡市内にある水族館。

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