篠川城

篠川城の概要と歴史

篠川城（ささがわじょう）は、福島県郡山市安積町笹川に位置する日本の歴史ある城であり、別名として佐々河城とも呼ばれています。この城は、安積町笹川の複数の地点にまたがり、東西300メートル、南北約2キロメートルという広い範囲に築かれた群郭式の城郭だと考えられています。

築城の背景

篠川城の築城時期については定かではありませんが、鎌倉時代にこの地域を支配していた北条氏一門の北条国時によって建設されたと推測されています。その後、この城は南北朝時代や戦国時代など様々な歴史的出来事に関与し、地域の重要な拠点となりました。

歴史的な出来事

1363年の元弘の乱では、北条国時の子である陸奥六郎が籠城していた篠川城が、石川光隆らによる攻撃を受けて落城しました。また、1352年には、宇津峰への進軍を巡る南北朝の激しい合戦がこの地で繰り広げられました。1399年には、鎌倉公方の足利満兼の命により、篠川公方の足利満直が派遣されたことから、篠川公方としての役割を担っていました。

1440年には、結城合戦によって足利満直が自害し、篠川公方は滅亡を迎えました。戦国時代になると、1580年に阿武隈川対岸の御代田城を中心に佐竹義重らの連合軍と田村清顕との間で争いが生じ、御代田合戦が勃発しました。これらの出来事により、篠川城は地域の戦略的拠点としての役割が非常に重要であったことが伺えます。

1608年には、江戸幕府の命令によって篠川城は廃城が決定され、その跡地には新たな集落が形成され、奥州街道が通るようになりました。

現在の状況

現在、篠川城の名残は郡山市安積町笹川東舘の阿武隈川周辺に地形の痕跡として残っています。特に東舘稲荷神社の参道入口には、篠川城跡を記念する碑が建立されており、その歴史を物語っています。

周囲には、鎌倉幕府滅亡時や南北朝の合戦の供養塔が集められた「笹川高石坊石造供養塔」や、篠川公方足利満直によって建立された「天性寺」などの重要文化財も存在し、地域の歴史をさらに深く知るための貴重な場所となっています。また、対岸に位置する御代田城跡は、御代田合戦で田村氏が入城していたことで知られています。

このように、篠川城は多くの歴史的出来事とともに、地域の重要な歴史的拠点としての役割を果たしてきました。

もう一度検索