簡牛凡夫

簡牛凡夫の生涯と業績

簡牛凡夫（かんぎゅう つねお）は、1894年に福岡県糸島郡可也村に誕生し、1973年に亡くなるまでの79年間、日本の政治や実業界で大きな影響を与えてきました。

学生時代と労働運動への関与

福岡県出身の簡牛は、家族の影響を受けて実業に関心を持つようになりました。中学校を卒業後、早稲田大学の政治経済学部に入学。在学中には茂木久平とともに自由協会を設立し、労働運動に熱心に取り組みました。また、先輩である中野正剛の思想にも強い影響を受けました。大学卒業後、彼はドイツに留学し、農村問題について研究。その後、帰国して逓信省の嘱託として勤めました。

政界への進出

簡牛は、1930年に開催された第17回衆議院議員総選挙で、福岡県第1区から与党である立憲民政党の候補として立候補し、初当選を果たしました。しかし、翌年の政友会との協力内閣運動が失敗に終わり、彼は党から離脱。その後、1932年の第18回衆議院議員総選挙では無所属で立候補しましたが落選しました。この時期、彼は一時的に国政から身を引き、故郷・可也村の村長に就任しました。

再出発と大政翼賛会への参加

政治の舞台から退いた簡牛は、1937年に再び無所属で衆議院に立候補し、見事に議席を取り戻しました。その後、政治家の再教育を目的とした大日本運動の設立に関与し、さらに立憲政友会の革新派に加入。1940年には大政翼賛会に参加し、様々な役職を歴任しましたが、1942年の翼賛選挙では落選しました。

戦後の実業界への転身と再びの衆院当選

戦後、簡牛は公職追放を受け、実業界に転身しました。津上製作所の副社長を務めた後、1956年の福岡１区補欠選挙に自由民主党から立候補し、見事当選しました。その後も1958年・1960年の衆議院選挙で連続当選を達成し、衆院運輸委員長や大蔵政務次官、自民党政務調査会副会長などを歴任しました。しかし、1963年の選挙で落選し、政界から引退しました。

家族とのつながり

簡牛の父、簡牛俊介もまた地元の有力者で、可也村の村長を務めたほか、様々な事業にも関与していました。彼は北筑軌道の発起人や福沢桃介らとともに唐津軌道の設立に関わるなど、地域における影響力のある人物でもありました。簡牛凡夫の生涯は、政治における激動の時代と、その影響を受けた家族の背景が絡み合ったものでした。

このように、簡牛凡夫は日本の政治的な転換期において重要な役割を果たし、国民のために尽力した政治家として多くの人々に記憶されています。

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