糸魚川ジオパーク

糸魚川ジオパークは、新潟県糸魚川市全域をエリアとするジオパークです。2009年にユネスコ世界ジオパークとして、日本で初めて認定された3地域の一つです。このジオパークのテーマは「奴奈川姫伝説から辿る台地の多様性が育んだ人々の暮らし」です。糸魚川ジオパークの最大の特徴は、中央部を東西に横断する糸魚川-静岡構造線です。この構造線を境に、東西で地質や地形が大きく異なり、多様な景観が形成されています。また、ジオパーク内には24か所のジオエリアが設定され、それぞれ異なる自然の魅力に触れることができます。

ジオパークの歴史

糸魚川ジオパークの歴史は、1994年のフォッサマグナミュージアムの開館に始まります。その後、2008年に日本ジオパークとして認定され、翌2009年にはユネスコ世界ジオパークに認定されました。これにより、糸魚川の自然の価値が国際的にも認められることとなりました。

ジオエリアについて

ジオパーク内には、特徴的な24のジオエリアが存在します。これらのエリアは、糸魚川の多様な自然を体験できる場所として、多くの人々に親しまれています。

ヒスイを感じるエリア

親不知エリア: イギリスの登山家ウォルター・ウェストンが、日本アルプスの起点として訪れたとされる断崖絶壁が特徴です。
糸魚川海岸エリア（ヒスイ海岸）: ヒスイが打ち上げられることで有名な海岸です。
青海川ヒスイ峡エリア・小滝川ヒスイ峡エリア: いずれも国の天然記念物に指定されており、ヒスイの原石が発見できる場所です。ただし、採取は禁止されています。

日本列島形成の歴史を知るエリア

糸静線と塩の道エリア: 糸魚川-静岡構造線が通るエリアであり、かつては塩の道として利用されていました。健御名方命が諏訪へ落ち延びる際に通った道とも伝えられています。
姫川渓谷(大糸線)エリア: 大糸線が通る渓谷で、美しい景観が楽しめます。
月不見の池エリア: 神秘的な雰囲気を持つ池があるエリアです。

雄大な山々を味わうエリア

マイコミ平エリア: 日本最深の鍾乳洞である白蓮洞をはじめ、多くのドリーネが見られる場所です。
権現岳エリア: 1986年に発生した柵口雪崩災害の教訓から、雪崩防止柵が設置されています。
栂海新道エリア: 中部山岳国立公園内に位置し、登山道としても有名です。
蓮華エリア: 蓮華温泉や蓮華鉱山があり、中部山岳国立公園に含まれています。
雨飾山エリア: 妙高戸隠連山国立公園に属し、美しい山容が魅力です。
焼山エリア: 同じく妙高戸隠連山国立公園内にあり、活火山である焼山の迫力を感じられます。

拠点施設

フォッサマグナミュージアム: 糸魚川の地質や歴史について学べる博物館です。
糸魚川ジオステーションジオパル: 糸魚川駅に併設されており、ジオパークに関する情報発信拠点となっています。

広報活動

糸魚川ジオパークでは、マスコットキャラクターとして「ぬーな」（奴奈川姫をモチーフ）と「ジオまる」を起用しています。また、糸魚川市出身者を中心に、川合俊一氏、伊藤聡子氏、永井大氏、二代目高橋竹山氏がジオパーク大使を務め、その魅力を広く伝えています。