蓮華温泉

蓮華温泉

蓮華温泉は、新潟県糸魚川市に位置する秘湯で、中部山岳国立公園の中にあります。標高1,475mの高所にあり、豊かな自然に囲まれた温泉地です。自家発電の温泉宿であるため、夜21時には消灯となる、静かで落ち着いた環境が魅力です。

泉質

蓮華温泉では、以下の泉質の温泉を楽しむことができます。

酸性硫黄泉（硫化水素型）：薬師湯、三国一ノ湯に給湯。リウマチ、皮膚病などに効果が期待できます。
単純硫黄泉：仙気ノ湯に給湯。皮膚病などに効果が期待できます。
含硫黄マグネシウム炭酸水素塩泉：黄金湯に給湯。胃腸病などに効果が期待できます。
単純温泉：総湯に給湯。疲労回復などに効果が期待できます。

（これらの効能は万人にその効果を保証するものではありません。）

温泉街

蓮華温泉は、「蓮華温泉ロッジ」という一軒宿の秘湯として知られています。かつては日本[[秘湯を守る会]]に所属していましたが、2020年までに脱退しています。周囲に温泉街はなく、ロッジの西側にはキャンプ場が併設されています。

営業期間は例年3月20日頃から10月20日頃まで（一般客が入れるのは6月下旬から）で、期間外はアクセス道路が閉鎖されます。白馬岳や朝日岳などの登山拠点としても利用されており、春の残雪期には山スキーヤーにも人気があります。

蓮華温泉ロッジは山小屋としての性格が強く、個室であってもテレビはありません。食事は食堂で他の宿泊客と一緒に摂り、夕食は17時30分頃、朝食は6時頃と時間が早めです。浴衣などのアメニティもありません。チェックアウト時間も8時30分と、一般的な旅館よりも早くなっています。自家発電のため、21時以降は客室が消灯となり、懐中電灯が必要です。廊下、トイレ、浴室も最低限の常夜灯のみとなります。混雑時には相部屋になる場合もあります。

チェックインは13時ですが、部屋の準備が整えば午前中でも利用できる場合があります。

浴場

蓮華温泉には、内湯の「総湯」と4か所の露天風呂があります。3種類の泉質が混在しており、それぞれ異なる効能を楽しむことができます。露天風呂はロッジから山道を5分から15分ほど歩いた場所に点在しています。

内湯

総湯
泉質: 単純温泉
ロッジの建物内にある内湯で、近代的に改築されています。日帰り温泉としての利用も可能です。

露天風呂

（露天風呂には更衣室はありません。衣服は湯船の近くの木や石の上に置くことになります。）

仙気の湯
泉質: 単純硫黄泉
蓮華温泉を代表する露天風呂で、高台に位置し、眺めが良いのが特徴です。湯船も露天風呂の中では一番広く、開放感があります。元々は「疝気の湯」と記され、下腹部の痛みに効くとされていましたが、現在は仙人気分を味わえる湯という意味合いがあります。湯はわずかに白濁しています。
黄金湯
泉質: 炭酸水素塩泉
ロッジから一番近い露天風呂で、林間に位置しています。展望はあまり良くありませんが、湯量が豊富です。かつては土で濁った黄色っぽい湯の色をしていたことからこの名が付きましたが、現在はほぼ透明です。
薬師湯
泉質: 酸性硫黄泉
一番高台にある露天風呂で、少々小ぶりの石組の湯船です。行き止まりの場所にあるため、女性が貸切状態で利用できることがあります。
三国一の湯
泉質: 酸性硫黄泉
三国一とは、日本・中国・天竺の3か国で一番という意味ですが、現在は湯量が少なく、1人で入るといっぱいの小さな湯船です。泉温が低すぎることも多く、爽快感に欠けるかもしれません。

かつては「新黄金の湯」と「蒸湯」もあり、これらを合わせて「蓮華七湯」と呼んでいました。

夜に露天風呂に入る際は、懐中電灯が必須です。天候が良ければ、満天の星空を眺めることができます。

歴史

1617年（元和3年）：上杉謙信が雪倉銀山を開発した際に、温泉が発見されたと伝えられています。
1818年-1829年（文政年間）：湯屋が建設されました。
1848年（嘉永元年）：本格的な湯宿となりました。
1894年（明治27年）：ウォルター・ウェストンがこの温泉に宿泊し、白馬岳に登頂しました。
1976年（昭和51年）：車道が蓮華温泉まで開通しました。

アクセス

公共交通機関：糸魚川駅アルプス口から糸魚川バス「18 白馬岳登山バス（蓮華線）」に乗車し、終点「蓮華温泉」で下車します（乗車時間約95分）。7月から10月中旬までの季節運行です。
自動車：バスの運行期間外は、自家用車、タクシーなどでアクセスできます。6月頃までは残雪により道路が閉鎖されていることがあります。

蓮華温泉ロッジから露天風呂へは、ロッジの前を通り、水飲み場の裏側から登山道に入ります。平らな湿った道を進むと、数分で露天風呂に到着します。

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