紀作良

紀作良とは

紀作良（きのさくら/つくら）は、奈良時代から平安時代初期にかけて貴族として重要な役割を果たした人物です。彼の官位は従四位下で、大学頭を務め、多岐にわたる官職を歴任しました。

経歴

紀作良は若い頃から大学での学習に励み、経書や史書に精通していました。彼は少判事の職を経て式部大丞に昇進し、宝亀9年（778年）に従五位下に叙されました。その後、光仁朝では民部少輔や丹波介を務め、天応元年（781年）には光仁上皇の崩御時に御装束司を任されました。

桓武朝へと時代が進む中、天応2年（782年）には尾張守を経て伊勢守に任命され、地方官としての役割を果たしました。その後、延暦3年（784年）には右少弁に復帰し、延暦4年（785年）には大蔵大輔、斎宮長官、兵部大輔などの官職を立て続けに務めました。さらに、延暦5年（786年）には大学頭に就任し、延暦6年（787年）には治部大輔にも任命されました。

延暦7年（788年）には上野守に任ぜられ、地方官としての職務を再び務めました。この期間中、延暦8年（789年）には正五位下、延暦16年（797年）には正五位上に昇進し、最終的には従四位下の大学頭に至りました。彼は延暦18年（799年）に没しました。

特徴と性格

紀作良は非常に真面目で飾り気のない性格で知られていました。彼は官人の少しの過ちも許さず、必ず法律によってその責任を追及したため、一部の部下からは恨まれることもありました。しかし、彼は公務に対しては早朝から日暮れまで熱心に取り組み、老齢になってもその活動を怠ることはありませんでした。

官歴

紀作良の官歴は次の通りです。

• - 時期不詳：少判事、式部大丞、正六位上
• - 宝亀9年（778年） 正月16日：従五位下
• - 宝亀10年（779年） 9月28日：民部少輔
• - 宝亀11年（780年） 3月17日：丹波介
• - 天応元年（781年） 12月23日：御装束司（光仁上皇崩御）
• - 天応2年（782年） 2月7日：尾張守、6月20日：伊勢守
• - 延暦3年（784年） 4月30日：右少弁
• - 延暦4年（785年） 正月7日：従五位上、正月27日：大蔵大輔、4月23日：斎宮長官、7月6日：兵部大輔
• - 延暦5年（786年） 正月28日：大学頭、9月29日：河内和泉班田次官
• - 延暦6年（787年） 3月22日：治部大輔
• - 延暦7年（788年） 3月21日：上野守
• - 延暦8年（789年） 正月6日：正五位下
• - 時期不詳：丹波守
• - 延暦16年（797年） 正月7日：正五位上
• - 時期不詳：従四位下、大学頭
• - 延暦18年（799年） 正月16日：卒去（大学頭従四位下）

彼の生涯は、当時の日本において官人としての厳格な務めを全うした象徴的なものでした。紀作良の名前は今でも歴史にその足跡を残し、人々に語り継がれています。

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