紀元前155年

紀元前155年は、ローマ暦における重要な年であり、当時の政治、軍事、文化に大きな影響を与えた出来事が数多くありました。この年は、ローマ建国紀元599年、執政官にはプブリウス・コルネリウス・スキピオ・ナシカ・コルクルムとマルクス・クラウディウス・マルケッルスが就任しました。

各地での紀年法

この年、他の地域では異なる暦が用いられていました。干支では丙戌の年に当たり、日本では開化天皇3年、皇紀506年でした。中国では前漢の景帝2年、朝鮮では檀紀2179年と記録されています。仏滅紀元では390年、ユダヤ暦では3606年から3607年にあたります。

紀元前155年の出来事

ヒスパニア

この年、ヒスパニアではプニクス、後にケサルスに率いられたルシタニア人が現在のジブラルタル付近に到達しました。これは、ルシタニア人の勢力が拡大していたことを示唆しています。

共和政ローマ

執政官スキピオ・ナシカはダルマチアのデルミニウムを征服し、ローマで凱旋式を挙行しました。また、同僚のマルケッルスもリグリアに対する勝利で凱旋式を挙げ、ローマの軍事的な強さを示しました。プラエトル・ウルバヌスのアウルス・ポストゥミウス・アルビヌスは、元老院を召集し、アカイア同盟の捕虜解放を求める使節団を迎えました。この使節団には、アテナイから来たアカデメイアのカルネアデス、ストア派のディオゲネス、逍遙学派のクリトラウスが含まれていました。彼らの訪問は、ローマにおける哲学的な議論を活発化させました。

バクトリア

バクトリアでは、メナンドロス1世がインド・グリーク朝の王として即位し、治世を始めました。メナンドロス1世の領土は、東はバクトリア（現在のパンジシール州、カーピーサー州）から、現在のパンジャブ州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ジャンムー地域にまで拡大しました。首都はパンジャブ州北部で繁栄した都市、現在のスィアールコートにあると推定されるサガラでした。

紀元前155年に亡くなった人物

前漢の政治家である申屠嘉がこの年に亡くなりました。彼の正確な生年は不明ですが、前漢の政治に大きく貢献した人物です。

参考文献

この年の出来事に関するより詳しい情報は、T. R. S. Broughton著の「The Magistrates of the Roman Republic Vol.1」に記載されています。

関連項目

この年の出来事に関連する年の一覧、年表、年表一覧も参考にしてください。

紀元前155年は、ローマを中心とした地中海世界だけでなく、バクトリアやインド地域においても重要な転換期を迎えた年でした。政治、軍事、文化、哲学など多岐にわたる分野で注目すべき出来事が起こり、歴史の進展に大きな影響を与えた年と言えるでしょう。

もう一度検索