紀元前17世紀

紀元前1[[7[[世紀]]]]：世界史の転換期

紀元前1[[7[[世紀]]]]（紀元前1700年から紀元前1601年）は、世界各地で大きな変革が起きた時代です。ヨーロッパでは青銅器時代が発展し、中国では夏王朝から殷王朝への移行期、西アジアではヒッタイト文明が台頭を迎えつつありました。また、旧約聖書に登場するアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの時代でもあります。この世紀は、政治的、文化的、技術的な進歩と、自然災害による大きな影響が混在した時代だったと言えるでしょう。

西アジアと周辺地域

西アジアでは、紀元前1700年から紀元前1500年頃にかけて、フルリ人が勢力を拡大しました。彼らの征服は、地域全体の政治情勢に大きな変化をもたらしました。ヒッタイト王国はまだ初期段階にあり、断片的な記録しか残されていませんが、この時代から勢力を拡大し始める端緒となります。この時代、メソポタミアではハンムラビ王がバビロニアを統一し、有名なハンムラビ法典を制定しました。彼の治世は紀元前1728年から紀元前1686年（低年代法による）に及びました。

また、紀元前1700年頃には『アトラ・ハシース叙事詩』が成立しました。粘土板に記されたこの叙事詩は、大洪水や人類創造といった壮大な物語を伝えています。

エジプト

エジプトでは、紀元前1663年に第13王朝と第14王朝が終焉を迎えます。その後に、異民族ヒクソス（ヘカウ・カスウト）が下エジプト東部に定着し、アヴァリスを首都とする第15王朝（大ヒクソス）を成立させました。同時に、下エジプト西部には諸侯国が成立し、第16王朝（小ヒクソス）と呼ばれました。ヒクソスの王サイテス（サリティス）はアヴァリス市を建設したとされています。紀元前1630年頃～1610年頃には、第15王朝の王キアンが治世し、その宮殿遺跡からはクレタ様式の壁画が出土しており、ヒクソスとクレタ文明の交流があったことが示唆されています。また、アペピ1世の治世（紀元前1610年頃～1570年頃）もこの時代にあたります。

エーゲ海文明

クレタ島では、紀元前1700年頃、クノッソス宮殿で古宮殿時代から新宮殿時代への移行期がありました。この時代には、象牙製の「牛跳びの像」が作られました。サントリーニ島では、紀元前1628年頃に巨大な火山噴火（ミノア噴火）が発生し、アクロティリ遺跡を含む島南部が埋没しました。この噴火は、ミノア文明に大きな打撃を与えたと考えられています。

中国

中国では、夏王朝から殷王朝への移行期にあたります。夏王朝の末期には桀王が治世し、山西省運城市絳県西呉壁遺跡からは、この時期の銅の製錬に使われた木炭窯が出土しています。紀元前1700年から紀元前1200年頃には、四川省で三星堆遺跡の時代が続きました。黄河流域では、紀元前1700年から紀元前1600年頃にかけて二里頭文化II期が栄えました。

その他の地域

北欧では青銅器時代が始まり、ターヌムの岩絵群がこの時期に描かれました。ポーランドを中心とするプロト・スラブ人のトシュチニェツ文化も始まりました。ロシアのアルカイムには円型集合住居遺跡が建設されました。シベリア北東部のウランゲリ島では、小型マンモスが絶滅しました。サルデーニャ島では、ヌラーゲのスー・ヌラージが建設されました。シナイ半島では、原シナイ文字が用いられました。ヨルダン渓谷のテル・エル・ハマム遺跡には、天体の爆発に巻き込まれた痕跡が残されています。

科学技術

この時代には、ガラス容器の製造がメソポタミアやエジプトで始まったと推定されています。また、エドウィン・スミス・パピルスやリンド数学パピルスといった医学や数学に関する重要な文献も作成されました。エドウィン・スミス・パピルスは外傷手術や人体解剖学に関する記述が含まれ、リンド数学パピルスは、単独方程式や連立方程式、等差級数や等比級数といった高度な数学的概念を示しています。

まとめ

紀元前1[[7[[世紀]]]]は、世界各地で文明が発展し、大きな変化が起きた時代でした。政治的な変動、技術革新、自然災害など、様々な要因が複雑に絡み合い、現代社会に繋がる歴史が刻まれました。それぞれの地域で起こった出来事を詳細に検討することで、この時代の複雑さと多様性をより深く理解することができるでしょう。

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