紅葉坂 (横浜市)

紅葉坂

紅葉坂は、横浜市西区の宮崎町と紅葉ケ丘の境界に位置する、全長約340メートルの坂道です。山下長津田線（桜川新道）の紅葉橋交差点を起点とし、横浜駅根岸道路の戸部1丁目交差点に向かって上る、一直線で比較的急な坂となっています。

歴史

紅葉坂は、1872年に沿道にカエデが植えられたことからその名が付きました。かつては美しい石畳の坂道で、特徴的な波紋状の模様が施されていましたが、2006年の改修によって石畳はなくなりました。しかし、今でもその名前は、かつての美しい景観を偲ばせます。

地理

紅葉坂は、横浜開港以来、重要な史跡や文化施設が多く存在する地域に位置しています。この坂は、南北に細長く伸びた花咲町を、中区側の1〜3丁目と西区側の4〜7丁目に分けています。紅葉坂の起点である紅葉橋交差点からは、横浜ランドマークタワーを始めとするみなとみらい21のビル群が間近に見え、絶好の景観スポットとなっています。

周辺施設

紅葉坂周辺には、以下のような多くの施設があります。

神奈川婦人会館 (紅葉ケ丘2):
神奈川県立青少年センター (紅葉ケ丘9-1): かつて神奈川奉行所が置かれていた場所です。
神奈川県立図書館 (紅葉ケ丘9-2): 県内有数の蔵書を誇る図書館です。
神奈川県立音楽堂 (紅葉ケ丘9-2): 県立図書館に隣接するコンサートホールです。
横浜能楽堂 (紅葉ケ丘27-2):
横浜市教育会館 (紅葉ケ丘53): 横浜銀蝿がデビューライブを行った場所として知られています。
掃部山公園 (紅葉ケ丘57): 井伊直弼の像がある公園です。
日本基督教団紅葉坂教会 (宮崎町1):
紅葉ケ丘公園 (宮崎町55):
横浜ベイサイドユースホステル (宮崎町56): 2011年3月に閉館しました。
伊勢山皇大神宮 (宮崎町64): 天照大御神を祀る横浜最大の神社で、紅葉坂から表参道が延びています。かつて隣接地に横浜御用邸がありました。
伊勢山ヒルズ（宮前町58）: ホテル開洋亭跡地にオープンした結婚式場。
横濱紅葉坂レジデンス (花咲町4丁目): 分譲マンション。かつて花咲団地がありました。

関連文学作品

紅葉坂は、多くの文学作品にも登場しています。

有川浩の小説『キャロリング』では、主人公の折原柊子が、田所航平に紅葉坂を紹介する場面があります。
有島武郎の小説『或る女』では、佐々城信子をモデルにした早月葉子が、シアトルから帰国後、新松旅館に滞在した場所として描かれています。
小池真理子の小説『浪漫的恋愛』(『月狂い』)には、作者葛城瑞穂の一人息子である倉田柊介の建築事務所が紅葉坂にある設定です。
島本久恵の自伝的長編『長流』にも登場します。
長谷川伸の自伝随筆『ある市井の徒』にも、紅葉坂に関する記述があります。
眉月じゅんの漫画『恋は雨上がりのように』では、主人公の橘あきらの自宅が紅葉坂にあるという設定です。
夢野久作の短編小説集『少女地獄』の「何んでも無い」には、主人公の臼杵利平の自宅が紅葉坂に設定されています。
* 吉屋信子の小説『あの道この道』(『乳姉妹』の原作)にも登場します。

その他

紅葉坂は、同名の坂が複数存在するため、混同を避けるために「横浜の紅葉坂」と明記されることもあります。また、かつて東横線が通っていた場所には、廃線区間を利用した遊歩道が整備されており、桜木町駅西口広場付近から紅葉坂交差点までを結ぶ区間は、2019年7月に開通しました。


紅葉坂は、歴史と文化が息づく場所であり、多くの人々に愛されています。

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