紫神転生〜ライヴ・アット・ジ・オリンピア'96〜

『紫神転生〜ライヴ・アット・ジ・オリンピア'96〜』は、ディープ・パープルが1996年に録音し、1997年に発表したライブ・アルバムです。このアルバムは、ギタリスト、スティーヴ・モーズが加入してからの初のライブ・アルバムであり、「テムズ」レーベルへの移籍後、最初の作品としても位置づけられています。

特筆すべき点として、このアルバムにはオーバー・ダビング（後から音を重ねて修正する作業）が一切行われていません。そのため、当日のライブの臨場感やバンドの生々しい演奏をそのまま体験できます。CDケースには「Official Bootleg」と記載されたステッカーが貼られており、その点からも、公式ながらもよりライブのリアルさを追求した作品であることが伺えます。

収録曲について

アルバムは2枚のディスクで構成されており、往年の名曲から、当時の最新アルバム『紫の証』からの楽曲まで、幅広い選曲が楽しめます。

ディスク1

「ファイアボール」や「メイビー・アイム・ア・レオ」といった初期の代表曲に加え、「テッド・ザ・メカニック」、「ピクチャー・オブ・ホーム」、「ブラック・ナイト」といった人気曲が収録されています。また、「カスケイズ：アイム・ノット・ユア・ラヴァー」、「サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミング」といった聴きごたえのある楽曲も収録されています。さらに、「ウーマン・フロム・トーキョー」や「誰も来ない」といったお馴染みのナンバー、そして「ザ・パーペンディキュラー・ワルツ」といった楽曲も楽しめます。
ディスク2

「ローザズ・カンティーナ」に始まり、ディープ・パープルの代表曲である「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が収録されています。さらに、「ブラインド・マン」、「スピード・キング」、「パーフェクト・ストレンジャーズ」といった人気曲、そして「ヘイ・シスコ」、「ハイウェイ・スター」といったライブの定番曲も収録されており、聴きどころ満載です。

参加ミュージシャン

イアン・ギラン (ボーカル、ハーモニカ)
スティーヴ・モーズ (ギター)
ジョン・ロード (ハモンドオルガン、キーボード)
ロジャー・グローヴァー (ベース)
* イアン・ペイス (ドラムス)

また、「Cascades: I'm Not Your Lover」、「No One Came」、「The Purpendicular Waltz」、「Highway Star」では、Vincent Chavagnac、Eric Mula、Christian Fourquetによるホーン・セクションが加わり、楽曲に華やかさを添えています。

評価

グレン・ミラーは、オールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、「ディープ・パープルは絶好調で、生々しいパワーと自由奔放なジャムを誇示し、『紫の証』からの新曲にエネルギーを注入している」と評価しています。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「各曲に挿入された小粋なアドリブは職人芸で最大の聴きどころ」と評されています。

このアルバムは、スティーヴ・モーズ加入後のディープ・パープルの新たな魅力を伝えるとともに、彼らのライブ・パフォーマンスの素晴らしさを堪能できる作品として、ファンにとって貴重な一枚と言えるでしょう。

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