縦四方固

縦四方固（たてしほうがため）

縦四方固は、柔道の固技における抑え込み技の一つであり、講道館や国際[[柔道連盟]] (IJF) で正式に認められています。IJF略号はTSGです。

概要

縦四方固は、相手の上半身に跨がって抑え込む技です。基本的な形としては、仰向けの相手の胴に両脚で跨がり、いわゆる「馬乗り」状態から胸を密着させ、両腕で相手の頭を抱え込んで抑え込みます。この際、両腕で相手の首や肩を、両脚で相手の両脚をコントロールし、相手がブリッジをしたり、脚を絡めて脱出したりする動きを封じることが重要です。

相手に跨がっていても、相手の足のほうを向いて抑え込む場合は、崩上四方固という別の技になります。また、相手の両腕が自分の脚の下にある場合は、抑え込み技として認められません。ブラジリアン柔術では、同様の体勢であるマウントポジションはポイントとして評価されますが、抑え込みとは異なる扱いになります。

試合での実例

2018年世界[[柔道選手権大会]]バクー女子70 kg級2回戦では、ミーガン・フレッチャー選手がミカエラ・ポレレス選手に縦四方固を仕掛けましたが、後に、ポレレス選手の両腕がフレッチャー選手の脚の下にあったため、抑え込みは成立せず誤審と判断されました。

変化

縦四方固には、いくつかの変化形が存在します。

肩固併用縦四方固: 肩固のように相手の片腕と頭を抱えながら抑える縦四方固です。柔道以外の格闘技では肩固として扱われることが多いです。
崩縦四方固: 両腕で相手の頭を抱え込まず、片方の肩もしくは腕を抱え、やや自ら襷型になって抑える縦四方固です。
腕固め縦四方: 腕挫腕固を掛けながらの崩縦四方固です。ハーフマウントの状態から腕挫腕固を仕掛け、そのまま抑え込みに入る場合や、腕挫腕固で極める場合があります。
シバロック: 仰向けになった相手の右腕を固めながら、相手の右側面に付いて抑え込む崩縦四方固です。この際、相手の背後に自分の両脚が入り込んだ状態になります。国士舘大学の学生によって開発されたと言われています。
三角絞併用縦四方固: 前三角絞を掛けながら抑える縦四方固です。胸を相手に密着させずに、手を畳についたりして、相手に返されないようにします。そのまま前三角絞で参ったを奪うことも可能です。川石酒造之助は、通常とは両脚を左右逆に組んだ三角絞併用縦四方固を縦三角固と呼んでいます。
脚三角からの縦四方固: 相手の背後から両脚を絡ませながら、相手を仰向けに横転させ、抑え込む技です。木戸慎二や田代未来が多用することで知られています。

特徴

縦四方固は、ブラジリアン柔術や総合格闘技ではマウントポジションと呼ばれています。マウントポジションは、打撃技、絞め技、関節技へ展開し、KOやタップアウトを狙うための体勢として用いられることが多いため、抑え込み続けることを目的とする柔道の縦四方固とは異なり、胸の密着をさせないことが多いです。

詳細はグラウンドポジションを参照してください。

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