縮景園前停留場

縮景園前停留場について

縮景園前停留場（しゅっけいえんまえていりゅうじょう）は、広島県広島市中区上幟町に位置する広島電鉄白島線の路面電車停留場です。駅番号はW3で、広島藩初代藩主浅野長晟の別邸として築かれた縮景園の最寄りの停留場として知られています。

歴史

1912年（大正元年）に白島線が開業した際、縮景園の別名である「泉邸」にちなんで、泉邸前停留場として設けられました。当時の白島線は、広島城の外堀を埋め立てた道路上に敷設され、八丁堀から北上する軌道は東税務署前でクランク状に折れる経路を通っていました。泉邸前停留場は、そのクランク状に折れる場所に位置していました。

しかし、1945年（昭和20年）2月に停留場は営業を休止し、同年8月6日の原爆投下によって白島線は全線不通となります。他の路線はすぐに復旧しましたが、白島線の運転再開は7年後の1952年（昭和27年）まで待つことになりました。これは、戦後の都市計画で従来の軌道があった道路の東側に新たな幹線道路（白島通り）が建設されることになり、白島線の軌道を移設することになったためです。新線への移設により軌道のクランクは解消され、泉邸前停留場は廃止されました。そして、新線上に開業したのが現在の縮景園前停留場です。

年表

1912年（大正元年）11月23日：白島線が開通、泉邸前停留場が開業。
1945年（昭和20年）
2月1日：営業を休止。
8月6日：原爆投下により白島線が全線休止。
1952年（昭和27年）6月10日：白島通りの建設により軌道が新線へ移設され、白島線が営業再開。泉邸前停留場が廃止され、新線上に縮景園前停留場が開業。

停留場構造

停留場は道路上にホームが置かれた併用軌道上にあります。ホームは低床式で2面あり、南北方向に伸びる2本の線路を挟むように配置されています。ホームは斜向かいに位置しており、南側が白島方面へ向かう下りホーム、北側が八丁堀方面へ向かう上りホームです。

運行系統

縮景園前停留場には、広島電鉄の9号線のみが乗り入れています。

停留場周辺

停留場の北東には、名前の由来である縮景園があります。また、停留場の前には広島県立美術館があります。戦後しばらくの間は広島県立図書館も立地していましたが、1988年（昭和63年）に千田町へ移転しました。西側には広島法務合同庁舎や裁判所などの司法関連施設が集積しています。さらに、オフィスビルやマンションなども多く、2004年（平成16年）には市内で最も高い超高層マンションであるアーバンビューグランドタワーがオープンしました。

広島市立幟町中学校 - 原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子が在籍していました。
広島東税務署
広島司法書士会館
RCC中国放送
広島城
縮景園前バス停 - 広電バス12号線が停車します。

隣の停留場

広島電鉄

■白島線

女学院前停留場 (W2) - 縮景園前停留場 (W3) - 家庭裁判所前停留場 (W4)

参考文献

長船友則『広電が走る街 今昔』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2005年。ISBN 4-533-05986-4。

外部リンク

* 縮景園前 | 電車情報：電停ガイド - 広島電鉄

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