羅尚

羅 尚（ら しょう）の生涯

概要

羅尚は、西晋の時代に活躍した重要な人物だ。彼は襄陽郡に生まれ、武陵郡の太守である羅憲の養子として育てられた。若い頃から政治や軍事の分野で頭角を現し、様々な任務を遂行した。

若き日

父を幼い頃に亡くした羅尚は、叔父である羅憲の手で育てられる。276年、咸寧の時代に荊州刺史王戎のもとで劉喬と共に参軍として活躍し、王戎の転任に従い、307年に梁州刺史として任命される。

益州への赴任と反乱の鎮圧

300年11月、益州刺史趙廞が反乱を起こし太平王朝を設立した際、羅尚は「趙廞には大きな才が無いので、必ず失敗する」と上表して反乱の兆しを察知した。その結果、反乱が鎮圧され、羅尚は平西将軍に任命される。彼は4000を超える流民と共に蜀へ向かい、反乱鎮圧に尽力する。

流民たちが不安を抱く中、羅尚は彼らを受け入れ、李特という流民の首領と良好な関係を築くことに成功する。しかし、彼の部下たちは流民を排除しようとし、様々な事件が勃発する。

争いの始まり

301年、成都に入城後、羅尚は羌族の反乱に直面する。自らは消極的な立場を取ったが、部下の王敦が戦死する悲劇に見舞われる。彼は益州の流民に帰郷を促したが、その度に李特から再三、帰郷の期限を延ばして欲しいと懇願される。

流民の決起

同年10月、羅尚の部下たちは流民たちに対して武力行使を決定するが、李特が伏兵を配置していたため大敗を喫する。流民と戦うことを躊躇していた羅尚は、内部からの意見によりさらなる混乱に巻き込まれていく。流民たちの抵抗が続く中、彼はついに流民たちと全面対決する。

成都の陥落

303年1月、李特が攻撃を仕掛け、羅尚は北営に籠城を余儀なくされる。最終的に、成都の戦闘は激化し、羅尚は城を守るが、李特の軍勢に見認められ撤退を余儀なくされる。

悲劇的な最期

最終的には、羅尚は巴郡への逃亡を余儀なくされ、その後の動乱によって彼の存在が失われることとなる。彼の死はバ郡に混乱を引き起こし、彼に寄せられた評価は様々だった。

羅尚の人物像と評価

羅尚は文才が豊かであったが、決断力に欠けるとも言われている。彼を形容する言葉には、「尚が愛するのは邪悪な者で、憎むのは忠実な者」といったものもあり、彼の統治を行った蜀の人々からの厳しい批判を受けた。西晋の中でも特に物議を醸した政権の中で、その行動の善悪が問われることとなる。彼は最後には朝廷からの評価も受けたが、同時にその悲劇的な末路は教訓として後世に語り継がれることとなった。

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