耒部

耒部（らいぶ）の解説

耒部は、漢字の部首の一つで、農作業に関連する重要な役割を持っています。この部首は、康熙字典において214部首の中で127番目に位置し、全体としては6画の部首の中では10番目にあたります。

耒の意味と由来

「耒」という漢字自体は、土を耕したり草を刈るための農器具である鋤、またその柄を指します。『説文解字』においては、耒は「木」を象徴する「丯」という雑草をすく様子を示しているとされており、部首の偏旁としては主に農具や耕作に関連する意味を持ちます。この時、耒は漢字の左側に偏として組み込まれることが一般的です。

印刷された書体の中では、康熙字典における耒の筆順は、1画目を右から下に払う形と定めていますが、現在の日本の新字体や中国の新字形においては「耕」という字のように、左から右への横画で描かれています。

日本の場合、耒を含む漢字の中で常用漢字表に含まれているのは「耕」、「耗」、「籍」という3字のみです。これらの字は他の部首の要素を持ちながらも耒を使用しています。表外の漢字に関しては、康熙字典体に従った形で表記されますが、例えば「耒」自体は表外字として扱われます。

耒に関する現代の取扱い

日本語の場合、JIS X 0208規格では、耒を含む漢字のうち常用漢字に該当する3字を除いて、ほとんどが第2水準に分類されています。1983年の改訂時に字形が変更されたものは存在せず、使用頻度も比較的低いため、農作物や農具に関連する混乱があまり起きることはありません。

台湾や香港においても、国字標準字体や常用字字形表は康熙字典に従った字形を採用しており、筆順としては右から左へ払いを行う形をとっています。また、非公式ではありますが、「来」の略字として「耒」が用いられることもあり、特に日本の戦前の常用漢字表ではこれが認められたこともあります。具体的には、「来」または「來」を構成要素とする字の中に、耒を使って代用することも行われます。

部首の通称

耒部の名称は国や地域によって異なります。日本では「すきへん」または「らいすき」と呼ばれ、韓国では「쟁기뢰부」（じぇんぎろえぶ）や「쟁기뢰변」（じぇんぎろえびょん）と呼ばれています。英語やアメリカ英語の文脈では「Radical plow」とされています。

耒部を含む漢字の例

耒部に関連する漢字には、「耒」自身をはじめ、以下のような様々な漢字があります。

• - 耘
• - 耕
• - 耗
• - 耙
• - 耜
• - 耨

これらは耒部に属する漢字であり、農作業やその具具に関する意義をもっています。

耒部は、漢字の背後にある文化や歴史を知る上でも重要な部首です。そのため、耒部の理解は漢字を学ぶ際の基本ともいえます。

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