肝付兼美

肝付兼美（きもつき かねみ）

1961年12月12日生まれ。日本の音楽家であり、マンドリン、マンドラ、マンドロンチェロ、リュート・モデルノ、マンドローネ、ギターといった多種多様な楽器の演奏に精通しています。また、指揮者、作曲家、編曲家としても活動し、その才能は多岐にわたります。日本音楽著作権協会（JASRAC）の会員でもあります。

生い立ちと家系

福岡県大牟田市で生まれ、東京で育ちました。慶應義塾[[高等学校]]、慶應義塾大学を卒業。本姓は伴氏であり、家系は肝付氏の庶流・喜入肝付家の分家に連なります。曾祖父は、西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬らを率いて明治維新を主導した薩摩藩筆頭家老・小松帯刀清廉（肝付尚五郎兼戈）の従兄弟にあたるという、歴史と深い繋がりを持つ家系です。

音楽家としての道のり

ミヤタ・マンドリンギター研究所マンドリン科を卒業。宮田吉子、久保田孝、神戸愉樹美に師事しました。1992年まで、アマチュア・マンドリン・オーケストラでコンサートマスターや首席奏者として活躍。服部正、山本直純、山下一史、梅田俊明といった著名な指揮者のもとで演奏しました。

1993年からは、プロ奏者によるゴンドラ・マンドリンオーケストラで19年間マンドロンチェロ首席奏者を務めました。1994年には全日本演奏家協会の推薦選抜オーディションに合格。1995年には第5回全日本ソリストコンテストに入賞し、NHK洋楽オーディションに合格、NHK-FM「土曜リサイタル」で無伴奏独奏を披露しました。1997年には、マンドロンチェロ独奏で第7回全日本ソリストコンテスト（現・全日本ソリストコンクール）弦楽器部門で最高位である部門優秀賞を受賞しました。

1998年以降、横浜を皮切りに東京、札幌、前橋などでマンドリン、マンドロンチェロ、マンドラのリサイタルを開催しています。2013年にはマンドローネでモンティ作曲「チャルダーシュ」を演奏した動画をYouTubeで公開し、大きな話題となりました。2003年からは、作曲家・野崎勇喜夫の新曲を5曲初演するなど、現代音楽にも積極的に取り組んでいます。

2006年に青葉マンドリン室内楽団を結成し、前橋のマンドリン音楽祭に招聘され続けています。2017年にはビクターエンタテイメントからCDを発売し、メジャーデビューを果たしました。

指揮者としては、2005年に群馬マンドリン楽団に客演したのが始まりで、2007年にはゴンドラ・マンドリンオーケストラを指揮しました。

音楽教育者としての活動

1984年にミヤタ・マンドリンギター研究所の講師に就任。1994年には同研究所公認のもと青葉マンドリン教室を開校。1999年からは現代ギター社GG学院のマンドリン科主任講師を務めるなど、後進の育成に力を入れています。高等学校や大学、一般のマンドリン・オーケストラ指導も行っています。

研究者としての側面

肝付氏の末裔として、自身の家系図を作成しており、歴史研究にも関心を寄せています。

ディスコグラフィー

CD「夜想的幻想曲」（2001年、現代ギター社）
CD「想い」（2002年、現代ギター社）
CD「肝付兼美マンドロンチェロ リサイタル」（2006年、プレクトラム音楽鑑賞会）
CD「肝付兼美・田中昌江マンドリン二重奏コンサート」（2009年、青葉マンドリン教室事業部）
CD「『埴生の宿』による変奏曲〜マンドラ・リサイタル2011」（2013年、現代ギター社）
CD「『さくらさくら』による変奏曲◎マンドリン四重奏曲集／青葉マンドリン室内楽団」（2017年、ビクターエンタテインメント）
CD「ふたつのマンドリンとピアノのための協奏曲～服部 正 マンドリン作品集～／青葉マンドリン室内楽団」（2020年、青葉マンドリン教室 事業部）
DVD「マンドリンとピアノの室内楽／青葉マンドリン室内楽団」（2021年、Indies World（有）発展）

主な作品

マンドリン・オーケストラ曲
幻想曲「日没のかもめ」（大内一鋼との共作）
赤い月（マンドリン・オーケストラ版）
祝典のためのファンファーレ
行進曲「小栗公、メリケンを行く」
日本古謡「さくらさくら」による変奏曲
室内楽曲
赤い月（マンドリン+ギター×2／マンドリン+ギター+ピアノ）
独奏曲
想い（マンドリン独奏）
「埴生の宿」による変奏曲（マンドラ独奏）
夜想的幻想曲（マンドロンチェロ独奏）
小松帯刀の琵琶（マンドロンチェロ独奏）

外部リンク

青葉マンドリン教室

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