腕挫三角固

腕挫三角固（うでひしぎさんかくがため）

腕挫三角固は、柔道や総合格闘技などで用いられる関節技の一種で、相手の肘を極めるアームロックです。三角絞めを仕掛けるような体勢から、相手の腕を固定し、関節を極める技術です。講道館や国際柔道連盟 (IJF) での正式名であり、IJFでは三角固（さんかくがため）という別名も使用されています。英語ではトライアングルアームバー（Triangle Armbar）と呼ばれます。

歴史

腕挫三角固の原型は、1921年に金光弥一兵衛と早川勝らが開発した「松葉搦み」という技です。これは、両脚を二葉松の松葉のように伸ばして極める技で、当初は関節技、つまり腕挫三角固として使用されることが多かったとされています。

バリエーション

腕挫三角固には、様々なバリエーションが存在します。

表三角固

表三角固（おもてさんかくがため）は、前三角絞（表三角絞）からの腕挫三角固です。腹部を張って体全体で反り返るようにし、両脚の中の相手の腕を腕挫十字固と同様に極めます。この形態は、1926年の書籍『新式柔道』に写真付きで紹介されており、腕挫三角固の原型に近い形とされています。

横三角固

横三角固（よこさんかくがため）は、横三角絞からの腕挫三角固です。両脚の外の相手の腕を腕挫十字固やチキンウィング・アームロックのように極める形態があります。また、両脚の中の相手の腕を片手で押して伸ばしたり、捻ったりする形態も存在します。

後三角固

後三角固（うしろさんかくがため）は、後三角絞からの腕挫三角固です。両脚の中に入った相手の腕を腕挫十字固のように極める形態があります。この技も、1926年の書籍『新式柔道』に写真付きで紹介されています。

縦三角絞から

縦三角絞から極める腕挫三角固も存在します。下からの縦三角絞から両脚の外の相手の腕をチキンウィング・アームロックやストレートアームバーにとる形態などがあります。

絞緘

絞緘（しめがらみ）は、肩絞からの腕挫三角固です。柔道川石メソッドでは、原形のように両脚を伸ばし、両脚の中に入った相手の腕を腕挫十字固のように極めます。別名、足緘腕固（あしがらみうでがため）とも呼ばれます。

試合での実例

UFC 172：ルーク・ロックホールドが両脚の外の腕をチキンウィング・アームロック（キムラロック）のように極める腕挫三角固で勝利。
UFC 73：クリス・ライトルが両脚の外の左腕を腕緘ストレートアームバーのように極めて勝利。

分類と名称

抑込技の崩上四方固にも「三角固」、「横三角固」がありますが、これらは腕挫三角固とは別の技です。

腕挫三角固は、その多様なバリエーションと効果的な関節の極め方により、柔道や総合格闘技において重要な技の一つとして位置づけられています。

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