船越景直

船越 景直の生涯

船越景直（ふなこし かげなお）は、天文9年（1540年）に生まれ、慶長16年3月10日（1611年4月22日）に亡くなるまで多くの戦で活躍した武将であり、江戸幕府の旗本としても名を馳せました。彼の父は船越景綸であり、彼には子どもとして永景と北条氏盛の妻があります。通称は五郎右衛門で、官途は左衛門尉です。

出自と初期の経歴

船越氏は藤原氏の流れを受け継ぐ淡路の国人であり、鎌倉時代から三原郡の倭文の庄田の地を拠点としていました。室町時代には細川氏の被官としても活動しており、景直はその初期に淡路庄田城主として三好長慶の弟・安宅冬康に仕官しました。この時期、彼は水軍を指揮して多くの戦に身を投じました。

織田信長への仕官

しかし、後に三好氏が滅亡すると、景直は新たに織田信長に従うことになりました。天正9年（1581年）には羽柴秀吉から淡路の本領を安堵され、本能寺の変の後には秀吉の直臣として賤ヶ岳の戦いや小牧・長久手の戦いに参加しました。その後、彼は播磨明石郡へ所領を移し、4000石を拝領し、弓組と鉄砲組の指揮を執りました。

従軍と政治的変遷

また、小田原征伐や文禄の役にも従軍し、数々の戦功を上げましたが、文禄4年（1595年）に秀吉の信任を失い、南部信直に預けられることになります。その後、秀吉の死後には徳川家康から摂津や河内に所領を与えられ、復帰を果たしました。関ヶ原の戦いには東軍に加わり、その功績によって大和宇智郡に1500石が加増され、合計6000石あまりを知行することになります。

晩年と茶道への情熱

景直はその後、家康に請われて堀尾吉晴や猪子一時、大島光義らとともに関ヶ原の戦いについての話に興じ、戦国時代の終焉を迎えました。彼は茶人としても名を成し、古田織部に師事し、慶長11年（1606年）3月12日に皆伝を受けています。景直は茶道具に用いられる名物裂・船越間道の名前の由来ともなり、彼や子の永景が用いたと言われています。

慶長16年（1611年）には72歳でこの世を去りました。その波乱に満ちた生涯は、戦国時代の武士としての勇敢な姿勢を物語ると同時に、茶道を通じて文化人としての側面も持ち合わせたものでした。

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