若瀬川剛充

若瀬川剛充（わかせがわ よしみつ）

生涯

若瀬川剛充は、1962年7月28日に山形県酒田市で生まれ、2011年10月8日に49歳で亡くなった元大相撲力士です。本名は佐藤 亙（さとう わたる）といい、伊勢ヶ濱部屋に所属していました。身長189cm、体重152kgの恵まれた体格で、右四つ、寄りを主な得意手としていました。最高位は東前頭筆頭（1989年3月場所）です。

相撲人生

酒田第三中学校を卒業後、伊勢ヶ濱部屋に入門し、1978年3月場所に初土俵を踏みました。順調に番付を上げ、1980年9月場所には18歳の若さで十両に昇進。当時、後の大関・北天佑と共に「北若時代」を築くと期待されました。初めは十両に定着できなかったものの、1982年7月場所で十両優勝を果たし、1983年1月場所で新入幕を果たしました。

その後、怪我の影響もあり、幕内と十両を行き来する時期が長く続きました。しかし、1988年5月場所で4度目の入幕を果たすと、速攻の四つ相撲で東前頭筆頭まで番付を上げ、三役昇進も期待されました。しかし、腰痛や肩の故障に悩まされ、三役昇進は叶いませんでした。それでも地力を生かし、長く幕内の地位を維持しました。

1992年5月場所中に胃腸炎を患いながらも出場を続けた結果、本来の相撲が取れず、14日目から途中休場。翌7月場所では、約4年ぶりに十両に陥落しました。同場所も振るわず、幕下陥落の可能性が高まり、この場所を最後に現役を引退しました。年寄名跡を取得できなかったため、引退と同時に日本相撲協会を去りました。

引退後

廃業後は都内で相撲料理店を、後に大阪市内でラーメン店を経営しましたが、病気を患い店を畳みました。その後、体調は回復し、福岡県内でビルの管理人をしていましたが、2011年10月8日に福岡市内で死去しました。

人物像とエピソード

土俵上では強面で常にしかめっ面をしていた一方、普段は温和な性格で好人物だったと伝えられています。引退後、若瀬川が協会に残ることができなかったことが、旧伊勢ヶ濱部屋の衰退に影響したと考える相撲ファンもいます。

また、背中の毛が濃いことで有名で、引退の際には、漫画家のやくみつるが「断髪の代わりに背中の毛を剃る断髪式」という内容の4コマ漫画を相撲雑誌に掲載したこともあります。

自己最高位の東前頭筆頭だった1989年3月場所前、出稽古に来た当時三段目の曙に胸を貸した際、強烈な頭からのぶちかましで仰向けに倒れ腰を痛めて病院送りになりました。この時の腰痛に現役時代は苦しめられ、この場所以降自己最高位を更新することはできませんでした。

主な成績・記録

通算成績：546勝519敗41休 勝率.513
幕内成績：216勝267敗12休 勝率.447
現役在位：86場所
幕内在位：33場所
金星：1個（大乃国から。1988年11月場所）

各段優勝

十両優勝：3回（1982年7月場所、1985年11月場所、1988年3月場所）
幕下優勝：2回（1980年7月場所、1982年5月場所）

改名歴

若瀬川 亙（わかせがわ わたる）：1978年5月場所 - 1982年11月場所
若瀬川 泰二（わかせがわ たいじ）：1983年1月場所 - 1987年5月場所
若瀬川 剛充（わかせがわ よしみつ）：1987年7月場所 - 1992年7月場所

関連項目

大相撲力士一覧
若瀬川泰二

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