茂辺地駅

茂辺地駅

道南いさりび鉄道線に属する茂辺地駅は、北海道北斗市茂辺地に位置する鉄道駅です。駅番号sh06が付与され、電報略号はモチです。かつては日本国有鉄道（国鉄）、そして北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅でした。

歴史

茂辺地駅は1930年10月25日、国有鉄道上磯線の駅として開業しました。これは、1913年に上磯まで開通していた上磯軽便線（後に上磯線）が木古内駅まで延伸された際に設置されたものです。鉄道開通以前、1918年頃には上磯方面からの乗合馬車（冬は馬橇）が運行され、地域の交通を担っていました。

開業後、1936年11月10日には上磯線が江差線に改称されます。1949年6月1日には国鉄の駅となりました。国鉄時代には貨物や荷物の取扱いも行われましたが、貨物取扱いは1970年12月12日に、荷物取扱いは1984年2月1日にそれぞれ廃止されました。駅の運営形態は無人化と委託化を繰り返した時期もありましたが、1986年11月1日からは簡易委託駅となりました。

1987年4月1日、国鉄分割民営化によりJR北海道に承継されます。翌1988年には、海峡線開業に伴い、江差線の五稜郭～木古内間が電化（交流20,000V・50Hz）されました。この電化に合わせ、駅構内の改良や跨線橋の設置も行われ、同年12月10日には駅舎も改築されました。

2016年3月26日、北海道新幹線の新青森～新函館北斗間開業に伴い、並行在来線となった江差線の五稜郭～木古内間はJR北海道から経営分離されました。これにより、茂辺地駅は同区間を引き継いだ道南いさりび鉄道の駅となりました。

駅名の由来

駅名「茂辺地」は、近くを流れる茂辺地川のアイヌ語名に由来するとされます。一般的な説は「モペッ（mo-pet）」で「静かな・川」という意味ですが、「ムペッ（mu-pet）」で「塞がる・川」とする説もあります。

かつては道南十二館の一つ、茂別館があり、「茂別」とも表記されました。これは東北訛りに基づくもので、現代標準語では発音が異なりますが、歴史的には同じ音を表す漢字として使われたと考えられます。

駅構造

茂辺地駅は2面3線の地上駅で、ホーム間は跨線橋で連絡します。道南いさりび鉄道移管後、2番線は使用停止となり、主に1・3番線が使われています（2番線への分岐器は残存）。

JR時代から簡易委託駅であり、現在も引き継がれています。窓口は平日の午前7時30分頃から午後1時頃まで営業し、日曜・祝日は休業です。販売区間は上磯～函館間の各駅に限定されています。

駅周辺

駅周辺には、北斗星広場（旧中学校グラウンド跡）、北斗茂辺地IC（函館江差自動車道）、国道228号、北海道道29号、国指定史跡の茂別館跡（茂辺地川東岸）、北斗市役所茂辺地支所、茂辺地郵便局、学校などがあります。また、函館バスの「茂辺地」停留所も利用可能です。

隣の駅

道南いさりび鉄道線
* 渡島当別駅 (sh05) - 茂辺地駅 (sh06) - （矢不来信号場） - 上磯駅 (sh07)

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