茨木神社

茨木神社：歴史と自然が調和する由緒ある神社

大阪府茨木市に位置する茨木神社は、郷社格を持つ由緒ある神社です。主祭神は建速素戔嗚尊で、誉田別命、天児屋根命など複数の神々が配祀されています。境内には、古くからこの地に鎮座し、『延喜式神名帳』にも記載されている式内社である天石門別神社も存在しており、歴史の深さを物語っています。

歴史：数々の出来事を経て現代へ

社伝によれば、茨木神社の起源は、大同2年（807年）に坂上田村麻呂が荊切の里（現在の茨木市宮元町付近）を開設した際に創建された天石門別神社に遡ると伝えられています。その後、楠木正成が茨木城を築城した際、または室町時代後期に、現在の場所に移転したとされています。移転後も、茨木城の城主たちから厚い崇敬を受け、神領の寄進なども行われていました。

戦国時代には、茨木城主であった中川清秀が茨木神社を深く信仰し、神社への侵害を厳しく禁じる高礼を掲げ、天正8年（1580年）には神領として13石を寄進した記録が残っています。高山右近が高槻城主であった時代、キリスト教保護を推進する一方で近隣の寺社を破壊する動きがありましたが、織田信長の命令により、当社は「牛頭天王社」と称し、焼失を免れたという逸話も残されています。これは、信長が素戔嗚尊を産土神としていたことに由来すると考えられています。

元和8年（1622年）には、素戔嗚尊、天児屋根命、誉田別命を祀る社殿が新たに建立され、それまでの天石門別神社は奥宮として位置付けられました。明治5年（1872年）には郷社に列せられ、その後、明治12年（1879年）には天石門別神社も郷社に昇格。一境内地に二つの郷社が存在する全国でも珍しい神社となりました。近年の令和4年（2022年）には、老朽化していた幣殿と拝殿が新しい建物に建て替えられるなど、神社は現代に合わせた整備も進められています。

境内：歴史と自然の融合

境内には、元和8年（1622年）建立の本殿（令和4年修復）、令和4年再建の幣殿と拝殿、平成3年（1991年）に造園された梅園など、見どころが豊富です。また、「赤井の清水」「青井の清水」とともに摂津国嶋下郡三名水の一つとされる「黒井の清水」は、豊臣秀吉の茶の湯にも供されたと伝えられています。その他、参拝者休憩所、東門（茨木城の搦手門を移築）、参集殿、儀式殿なども整備されています。

多くの摂末社も境内には鎮座し、天石門別神社（奥宮）、皇大神宮、稲荷神社、愛宕神社、天満宮、主原神社、多賀神社、皇太神社、事平神社、厳島神社、恵美須神社など、それぞれの神々を祀っています。

神事：年間を通して行われる祭事

茨木神社では、歳旦祭、十日戎祭、紀元祭、人形奉焼祭、祈年祭、大祓、夏祭、例大祭、新嘗祭など、年間を通して様々な神事が執り行われています。これらの神事は、地域住民の信仰生活に深く根付いており、神社の賑わいを象徴するものです。

アクセス：交通アクセス

JR京都線茨木駅から東へ約700m、阪急京都線茨木市駅から西へ約600mの場所に位置しています。茨木市役所の近くに位置しているため、比較的容易に場所を見つけることができます。

まとめ

茨木神社は、長い歴史と多くの神々、そして豊かな自然に囲まれた、魅力的な神社です。歴史好きの方、自然を愛する方、そして静かな空間を求める方にとって、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。多くの神事や、歴史的な建造物、そして美しい自然が調和した茨木神社は、これからも地域の人々にとって大切な場所であり続けることでしょう。

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