茵蔯蒿湯

茵蔯蒿湯（いんちんこうとう）は、漢方医学において用いられる処方の一つです。比較的体力があり、便秘傾向のある方の、下記のような症状に効果があるとされています。

効果・効能

黄疸
肝硬変
ネフローゼ
蕁麻疹
口内炎

特に、肝硬変に伴う胆汁うっ滞や黄疸の改善、腎臓疾患による尿量減少、蕁麻疹や黄疸によるかゆみなどに用いられます。

組成

茵蔯蒿湯は、以下の3つの生薬から構成されています。

茵蔯蒿（いんちんこう）: 主成分。カワラヨモギの若芽。黄疸を改善する効果があります。
山梔子（さんしし）: 解熱、消炎作用があります。
大黄（だいおう）: 瀉下作用があり、便秘を解消します。

一般的に、茵蔯蒿湯エキス製剤は、7.5g中に茵蔯蒿4.0g、山梔子3.0g、大黄1.0gの割合で混合された生薬乾燥エキス1.5gを含有します。

性状

淡褐色で特異なにおいがあり、味はわずかに渋いです。

使用上の注意

茵蔯蒿湯を使用する際には、以下の点に注意が必要です。

慎重投与:
下痢や軟便のある方は、症状が悪化する可能性があるため、慎重に投与する必要があります。
胃腸が著しく弱い方は、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢などの症状が現れるおそれがあります。
体力が著しく衰えている方は、副作用が出現しやすくなる可能性があります。
相互作用: 他の医薬品との相互作用については、医師または薬剤師に相談してください。
副作用:
重大な副作用として、肝機能障害や黄疸、腸間膜静脈硬化症が報告されています。AST（GOT）、ALT（GPT）、Al-P、γ-GTPの上昇などの肝機能異常がみられた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
その他、発疹、発赤、かゆみ、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れることがあります。
* 高齢者、妊産婦、授乳婦、小児: 高齢者は生理機能の低下、妊産婦、授乳婦、小児は安全性が確立されていないため、投与には注意が必要です。

茵蔯蒿湯は、体質や症状に合わせて服用することが重要です。必ず医師、薬剤師または登録販売者の指示に従って服用してください。

その他

茵蔯蒿湯の主成分であるカワラヨモギは、茵蔯蒿（zh:茵蔯蒿）とも呼ばれます。

免責事項

この情報は、茵蔯蒿湯に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。個々の症状に対する診断や治療については、必ず医師にご相談ください。

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