茶臼岳 (赤石山脈)

茶臼岳 (ちゃうすだけ)

概要

茶臼岳は、赤石山脈（南アルプス）の南部に位置し、長野県飯田市と静岡市葵区の境界にそびえる標高2,604mの山です。日本三百名山に選定されており、南アルプス国立公園内にあります。山腹上部は、東側が特別保護地区、西側が特別地域に指定されています。山体はチャートや緑色岩などで構成され、山頂付近は森林限界に近く、ハイマツとダケカンバが混生しています。また、ライチョウの生息地としても知られています。

山頂から北へ約1.2kmの場所には、亀甲状土の「御花畑」と呼ばれる高山植物の群生地があります。南西約400mの稜線上には仁田池があり、北東約500mの横窪沢源流部には茶臼小屋があります。山名は、上河内岳側から見ると茶碗を伏せたように見えるなだらかな山容に由来します。

登山

1925年7月、長野県の上村の遠山尚岳会が、神祠を上河内岳に安置する際に易老岳から赤石岳へ縦走する際に登頂した記録が残っています。

登山ルート

茶臼岳は赤石山脈の主稜線上にあるため、縦走路を歩く際に登頂されることが多いです。最短ルートは静岡県側の畑薙大吊橋からのルートです。1957年の静岡国体の際に、畑薙大吊橋から畑薙山（標高1,835.5m）を経由する小鳥尾根ルートが整備されましたが、現在は荒廃し、ほとんど利用されていません。

主要ルート詳細

畑薙ダムからのルート：
畑薙第一ダム - 畑薙大吊橋 - ヤレヤレ峠 - ウソッコ沢小屋 - 横窪峠 - 横窪沢小屋 - 茶臼小屋 - 主稜線合流点 - 茶臼岳
南アルプス縦走路:
便ヶ島などの各登山口 - 聖岳 - 聖平 - 南岳 - 上河内岳 - 御花畑 - 茶臼小屋分岐 - 茶臼岳 - 仁田池 - 希望峰（仁田岳分岐） - 易老岳 - 光小屋 - 光岳 - 易老渡など各方面

周辺の山小屋

登山口や稜線上には、山小屋とキャンプ指定地が整備されています。登山シーズン中には、一部期間で有人の営業が行われます。最寄りの山小屋は茶臼小屋で、キャンプ指定地も併設されています。南アルプス国立公園内であるため、キャンプ指定地以外での幕営は禁止されています。茶臼小屋からは富士[[山]]を望むことができ、1997年から食事提供を開始しました。小屋の周辺では、水が湧き出し、シナノキンバイ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロなどの高山植物が見られます。かつては、仁田池の脇にも小屋がありました。なお、仁田池の水は飲用には適しません。

地理

山頂から南西に延びる稜線は、岩とハイマツが混じる二重稜線となっています。

周辺の山

山頂からは、富士[[山]]、聖岳、光岳など360度の展望が広がります。

源流の河川

太平洋に注ぐ以下の河川の源流部となっています。

燕沢と奥燕沢（天竜川水系の遠山川支流）
横窪沢（大井川支流）

茶臼岳の風景と展望

茶臼岳は、豊かな自然と美しい景観が魅力の山です。登山道は整備されており、初心者からベテランまで楽しめます。山頂からの眺望は素晴らしく、多くの登山者を魅了しています。

脚注

関連図書

『改訂版　静岡県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月、pp.58-61頁。ISBN 9784635023719。
『アルペンガイド10 南アルプス』山と溪谷社〈ヤマケイ・アルペンガイド〉、2010年6月。ISBN 9784635013581。

関連項目

赤石山脈
南アルプス国立公園
日本三百名山
茶臼岳（同名の山）

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