草津軽便鉄道7号蒸気機関車

7号蒸気機関車の概要

7号は、草津軽便鉄道（のちの草津電気鉄道、草軽電気鉄道）によって1920年に導入されたタンク式蒸気機関車です。この機関車は、運転整備重量が15トン、車軸配置が0-6-0(C)という特長を持っています。製造は、雨宮製作所にて行われ、1,067mmの軌間に対応した頑丈な構造が評価されています。

主な特徴

機関車は、飽和式サイド・ウェルタンク機関車として設計されており、2気筒単式のモデルです。また、煙突は火の粉止めを内蔵したバルーンタイプであり、両側に大きな蒸気管覆いが付属しています。これらが、雨宮製の標準的な形態に特徴的ながっちりとした印象を漂わせています。ボイラーに関しては、ケ237形やケ239形と類似しているが、バレルの長さが292mm短い点が異なります。

使用歴

草津電気鉄道では、7号は1934年に廃車され、その後佐世保鉄道に譲渡されました。譲渡に際して雨宮製作所に入庫し、更新工事が施されたことで再生され、1935年には「16」のナンバーが付けられて使用開始されました。主に左石と相浦間の貨物列車の運行に reutilizedさせていました。その後、佐世保鉄道は1936年に鉄道省に買収され、国有化された際にケ216形に改番され、引き続き同じ区間で運行されました。

旧佐世保鉄道線（松浦線）の改軌作業は1943年に完了しましたが、7号はその翌年の9月に廃車され、解体される運命を辿りました。

主要諸元

7号の全長は5,791mm、全高は3,124mm、軌間は762mmです。走行に必要な動輪の直径は610mmで、弁装置にはワルシャート式が採用されています。シリンダーのサイズは229mm×305mm、ボイラー圧力は12.0kg/cm²に設定され、多彩な性能を誇ります。火格子面積は0.53m²、全伝熱面積は19.9m²であり、機関車の運転整備重量は15.2tとなります。動輪上の重量も同じく15.2tです。また、水タンクの容量は1.82m³、燃料積載量は0.63tとされています。

機関車の性能

7号はシリンダ引張力を約2,670kgに達することができ、ブレーキ方式として手ブレーキと蒸気ブレーキの両方を採用しています。このことからも、当時の技術水準がうかがえます。7号は、貨物列車運行において非常に重要な役割を果たしていたと考えられます。

参考文献

• - 臼井茂信『機関車の系譜図 3』1976年、交友社刊
• - 臼井茂信『国鉄狭軌軽便線 23』鉄道ファン 1985年9月号(No.293)
• - 金田茂裕『国鉄軽便線の機関車』1987年、機関車史研究会

このように、7号蒸気機関車は草津軽便鉄道及びその後の利用において、一定の影響を与えた存在であったと言えます。

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