荒川哲男 (医師)

荒川哲男

荒川哲男（あらかわ てつお、1950年 - ）は、日本の著名な医学者（内科医）であり、大阪市立大学の学長を歴任した人物です。また、公立大学法人大阪の初代副理事長も務めました。

略歴

大阪市城東区出身の荒川氏は、国立大阪教育大学附属高等学校（天王寺校舎）を経て、大阪市立大学医学部を卒業。その後、大阪市立大学大学院医学研究科内科学専攻内科学第3課程を修了し、医学博士号を取得しました。

研究者としては、米国カリフォルニア大学アーバイン校内科学客員教授を務めた経験を持ち、帰国後は大阪市立大学医学部助教授、教授、大学院医学研究科教授、附属病院副院長、医学部長兼大学院医学研究科長といった要職を歴任しました。

2016年4月には、公立大学法人大阪市立大学の理事長兼大阪市立大学学長に就任。2019年4月に発足した公立大学法人大阪では、初代の副理事長となりました（この統合により、市立大学法人としては最後の理事長となりました）。2019年5月1日の改元に伴い、「平成で最後」「令和で最初」の学長としても知られています。

学外活動も活発であり、公立大学協会の副会長や理事、大学コンソーシアム大阪理事長なども務めました。

2022年3月に公立大学法人大阪副理事長兼大阪市立大学学長を退任。2023年6月からは、社会福祉法人 大阪社会医療センター (大阪社会医療センター付属病院を有する) の理事長に就任しています。

人物像

幼少の頃から解剖図鑑に興味を持ち、中学生時代にはコウモリの視覚に関する自由研究を行うなど、幼い頃から科学への関心が高かったことが伺えます。滋賀県の鍾乳洞までコウモリを捕獲しに行くというエピソードからは、探求心の強さがうかがえます。

専門は消化器内科学であり、モットーとして「第一に楽しいこと。第二に思いやり。第三に楽しむために厳しさに耐えること」を掲げています。さらに、「第四に前向きに競うこと。第五にメリハリをつけること」を重視し、仕事と遊びのバランスを大切にする考えを持っています。

教授就任後には、「英語での回診」を導入し、症例検討なども英語で行う「ブロークン　イングリッシュ　ケース　カンファレンス」という独自の取り組みを始めました。これは、医局員の英語に対する抵抗感をなくし、積極的に英語でコミュニケーションを取ることを促すためのものでした。荒川氏自身のFacebookも英語で情報発信されています。

2020年2月からは、ラジオ大阪の番組「荒川哲男の元気出してゆこう! てっちゃんねる」でパーソナリティを務め、医学博士として、病気や疾患に関する情報を分かりやすく解説し、健康寿命を延ばすための取り組みを紹介しています。アシスタントは河島あみるさんが務めています。

著書

監修・編集
『プロスタグランジンと消化性潰瘍』（医薬ジャーナル社、2000年）
『上部・下部消化管内視鏡研修のskill & spirit―基本知識と技能修得のストラテジー　研修医必携ポケット 』（朝日新聞社事業本部、2002年、2006年）
『機能性ディスペプシア　日本人に適した診療を求めて』（フジメディカル出版、2014年）
『消化器疾患の最新医療 （先端医療シリーズ49）』（先端医療技術研究所、2018年）
共著
『消化性潰瘍　ヘリコバクター・ピロリ時代における現状とトピックス』（永井書店、1996年）
『消化器研究の新たな進歩〈vol.4〉』（秋保カンファランス、1999年）
『胃粘膜とアラキドン酸カスケード』（ライフ・サイエンス、2000年）
『胃粘膜のBioregulation』（ライフ・サイエンス、2003年）
『TECHNICAL TERM 消化管（先端医学社、2003年）
『あなたの主治医が名医に変わる本　いい医療を受けたい患者のパフォーマンス学』（マキノ出版、2018年）

出演

* 荒川哲男の元気出してゆこう! てっちゃんねる - ラジオ大阪（2020年2月～）

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