荻野目洋子 ザ・ベスト

荻野目洋子 ザ・ベスト：80年代アイドル黄金期の軌跡

1985年12月15日、ビクター音楽産業より発売された『荻野目洋子 ザ・ベスト』は、荻野目洋子のキャリアにおいて初のベストアルバムという記念碑的な作品です。このアルバムは、彼女のデビュー曲から当時の最新ヒット曲までを収録し、80年代アイドルシーンにおける彼女の活躍を凝縮した内容となっています。

収録楽曲と多様なフォーマット

CD版には16曲が収録されており、代表曲であるデビュー曲「未来航海 -Sailing-」や、大ヒットを記録した「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」を含む、シングル曲やアルバム収録曲がバランス良く選曲されています。それぞれの楽曲には、作詞家、作曲家、編曲家といった豪華な制作陣が名を連ねています。神田ヒロミ、阿木燿子、康珍化、三浦徳子といった著名な作詞家や、島津行良、小田裕一郎、井上大輔といった作曲家、そして萩田光雄、船山基紀といった実力派編曲家が、荻野目洋子の歌声を彩っています。

一方、カセットテープ(CT)版は、CD版と同一の16曲をSIDE AとSIDE Bに分割して収録しています。CDとCTでは収録順に違いはありません。

LP盤は、CD版とは収録曲が異なり、全11曲が収録されています。収録時間の都合上、CD版に収録されている楽曲の一部が省かれ、代わりに「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」のB面曲である「ぜんまいじかけの水曜日」が追加収録されています。この違いは、当時の音楽メディアの特性をよく反映しており、フォーマットの違いによる選曲の変化が興味深いところです。

楽曲の詳細

以下に、CD版に収録されている楽曲の作詞作曲編曲者を列挙します。

1. 未来航海 - sailing -
作詞：神田ヒロミ、作曲：島津行良、編曲：萩田光雄
2. 流星少女
作詞：阿木燿子、作曲：小田裕一郎、編曲：萩田光雄
3. さよならから始まる物語
作詞：康珍化、作曲：古本鉄也、編曲：萩田光雄
4. 夏の微笑
作詞：三浦徳子、作曲：田中弥生、編曲：松下誠
5. ティーンズ・ロマンス
作詞：神田ヒロミ、作曲：水沢朱里、編曲：大谷和夫
6. ディセンバー・メモリー
作詞：三浦徳子、作曲：井上大輔、編曲：船山基紀
7. 雨とジャスミン
作詞：三浦徳子、作曲：井上大輔、編曲：船山基紀
8. 無国籍ロマンス
作詞：岡田冨美子、作曲：坂本龍一、編曲：入江純
9. フリージアの雨
作詞：松本隆、作曲・編曲：船山基紀
10. 2Bの鉛筆
作詞：松本隆、作曲・編曲：船山基紀
11. 恋してカリビアン
作詞：松井五郎、作曲・編曲：中崎英也
12. 愛のタイムカプセル
作詞：秋元康、作曲・編曲：船山基紀
13. 心のままに 〜I'm just a lady〜
作詞・作曲：あらい舞、編曲：萩田光雄
14. スイート・ヴァケーション
作詞：秋元康、作曲・編曲：船山基紀
15. 貝殻テラス
作詞：秋元康、作曲・編曲：船山基紀
16. ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)
作詞・作曲：A.Kyte-T.Baker、訳詞：篠原仁志、編曲：馬飼野康二

LP盤にのみ収録されている「ぜんまいじかけの水曜日」の作詞作曲編曲者は以下の通りです。

作詞：秋元康、作曲：松尾一彦、編曲：萩田光雄

まとめ

『荻野目洋子 ザ・ベスト』は、80年代アイドルシーンを代表するアーティストの一人である荻野目洋子の魅力が凝縮された作品です。CD、CT、LPそれぞれのフォーマットの違いも興味深く、当時を知る人にとっても、初めて聴く人にとっても、楽しめる内容となっています。このアルバムを通して、荻野目洋子の音楽性と、80年代の日本の音楽シーンを体感できるでしょう。

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