葉剣英

葉剣英（イェ・ジャンイン）：中国革命を支えた軍人・政治家

葉剣英（よう けんえい、Ye Jianying、1897年4月28日 - 1986年10月22日）は、中華人民共和国の建国に大きく貢献した政治家であり、傑出した軍事指導者です。中国人民解放軍の創立者の一人として、元帥の称号を授与され、国防部長、全国人民代表大会常務委員長など、数々の要職を歴任しました。激動の20世紀中国において、革命、戦争、そして政治の舞台で重要な役割を果たした葉剣英の生涯を詳細に解説します。

生い立ちと革命への参加

1897年、広東省梅県の豪商の家庭に生まれた葉剣英は、雲南陸軍講武学校で軍事教育を受け、朱徳の影響を受けました。1920年に卒業後、黄埔軍官学校で教官を務め、周恩来と出会い、共産主義に傾倒していきます。1927年に中国共産党に入党し、南昌起義に参加。その後、モスクワ中山大学で軍事科学を学び、軍事理論と実践を深めました。

抗日戦争と国共内戦での活躍

帰国後、葉剣英は中華ソビエト共和国に参加し、長征では劉伯承を補佐して重要な役割を果たしました。日中戦争勃発後は、国民党との連絡将校として周恩来と共に活躍し、八路軍参謀長としてゲリラ戦術を指導しました。国共内戦では、華北軍政大学校長兼政治委員として人材育成に尽力し、共産党軍の勝利に貢献しました。

建国後の要職歴任と文化大革命

中華人民共和国建国後、広東省の指導者として華南地域の安定に尽力。その後、中央政府で国防委員会副主席、訓練総監部部長代理などを歴任し、軍の近代化に貢献しました。1955年には元帥の称号を授与されています。

文化大革命の時期には一時迫害を受けましたが、党中央軍事委員会副主席兼秘書長の職を維持し、林彪失脚後は国防部長の役割を代行しました。1976年の毛沢東の死後、華国鋒を支援して四人組追放を主導し、文化大革命の終結に大きな役割を果たしました。

鄧小平復権への貢献と晩年

文化大革命終結後、葉剣英は李先念・陳雲・王震らと共に鄧小平の復権に尽力しました。1978年から1983年までは全国人民代表大会常務委員会委員長として国家元首格の地位にあり、中国の改革開放政策を支えました。1985年に党の要職から引退しましたが、中央軍事委員会副主席として軍への影響力を保持し続け、1986年に89歳でその生涯を閉じました。

多彩な女性関係

葉剣英は、その華やかな女性関係でも知られています。複数の妻との間に子供をもうけ、その中には政治家や軍人として活躍した人物もいます。彼の女性関係は、その生涯におけるもう一つの側面として、しばしば語られています。

葉剣英の遺産

葉剣英は、中国革命の成功に大きく貢献し、建国後の国家建設と軍の近代化に尽力した傑出した指導者でした。彼の軍事戦略、政治手腕、そして人柄は、多くの人々に影響を与え、現代中国の礎を築いた一人として、その名は歴史に刻まれています。

年譜

1897年：広東省梅県に生まれる。
1927年：中国共産党に入党。
1955年：中華人民共和国元帥の称号を授与される。
1973年：中国共産党中央委員会副主席に選出。
1978年：全国人民代表大会常務委員会委員長に就任。
1986年：北京で死去。

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