葛西泰二郎

葛西 泰二郎の biography

葛西泰二郎（かさい たいじろう）は、1903年4月17日に福岡市大名町で生まれました。彼は日本の機械工学者として知られ、工学博士の学位を持ち、九州大学名誉教授として多大な貢献をしました。また、ラグビー日本代表の監督としても名を馳せ、スポーツ界にも影響を与えました。

学問と経歴

福岡県立中学修猷館を1921年に卒業し、その後第5高等学校理科甲類を経て、1927年には九州帝国大学工学部を卒業しました。大学卒業後、彼は1930年に九州帝国大学の助教授に就任し、その後も順調に出世。1936年には工学博士の学位を取得し、1941年には教授に昇進します。

彼の研究分野は流体機械やポンプ、水車に集中しており、特に送風機や圧縮機に対する研究では高い実績を上げました。しかし、1930年代後半から1940年代初頭にかけて日本が太平洋戦争に突入する中、彼は国に仕えることとなりました。1942年には広海軍工廠で研究に従事し、1944年には第2陸軍航空技術研究所に配属されました。

その後、彼は国産初のロケット戦闘機「秋水」のエンジン開発に参画することになりますが、戦争の終結により研究が中止となりました。この時期の経験が彼の技術者としての資質を一層高めることにつながったと言えるでしょう。

戦後の活躍

戦後、彼は九州大学に戻り、ガスタービンの研究を続け、1951年には応用力学研究所の教授を兼任することになります。1967年には定年退官し、名誉教授の称号を得て、その後も教育や研究に精力的に取り組みました。退官後、佐世保工業高等専門学校の第2代校長を務めたのち、九州工業大学学長としても活躍しました。

ラグビー界での貢献

彼は九大ラグビー部の創立メンバーの一人としても活動し、1963年にはラグビー日本代表監督に就任しました。このポジションでも多くの優れた選手を育て、九州ラグビーフットボール協会の会長としても九州のラグビー発展に寄与しました。

受賞と家族

1973年、彼は勲二等旭日中綬章を授与され、その業績が認められました。さらに、彼の岳父である安藤一雄も台北帝国大学の総長や九州工業大学の学長を歴任した著名な応用化学者です。

葛西泰二郎の人生は、学問とスポーツを通じて地域や国に貢献したひとりの技術者の物語であり、彼の業績は今もどこかで生き続けています。

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