蕭恵開

蕭恵開（しょう けいかい）

蕭恵開（423年 - 471年）は、南朝宋の時代の軍人であり、官僚として活躍しました。南蘭陵郡蘭陵県を本貫とする家柄に生まれました。

生涯

蕭恵開は、征西将軍・儀同三司であった蕭思話の子としてこの世に生を受けました。官僚としての最初の役職は秘書郎であり、その後、太子舎人や尚書水部郎といった役職を歴任しました。始興王劉濬に仕えて征北府主簿、南徐州治中従事史となり、後に汝陰王劉渾の食客となっています。さらに、南徐州別駕や中書侍郎といった職も経験しました。元嘉29年（452年）には、江夏王劉義恭の下で大将軍従事中郎となり、翌年には劉義恭が太傅・大司馬となると、恵開も大司馬従事中郎に転任しました。

孝建元年（454年）には、太子中庶子から黄門侍郎に転じましたが、侍中の何偃と積射将軍の徐沖之との間で起きた事件に巻き込まれ、免官の上、杖罰200を受けるという憂き目に遭いました。しかし、すぐに太子中庶子に復帰しています。孝建2年（455年）に父の蕭思話が亡くなると、その菩提を弔うために禅岡寺、禅郷寺、禅亭寺、禅封寺の4つの寺を建立しました。喪が明けた後には、司徒左長史として再び政界に復帰しました。

大明2年（458年）には、海陵王劉休茂の下で北中郎長史・寧朔将軍・襄陽郡太守として地方に出向し、雍州と北中郎府の事務を代行しました。また、父の封陽県侯の爵位を継承しました。その後、建康に召還され、新安王劉子鸞の下で冠軍長史となり、呉郡の事務を代行しました。その後、豫章国内史に転じ、中央に戻って尚書吏部郎に任じられましたが、この職は受けず、御史中丞に任じられました。

大明8年（464年）には、再び中央に召還されて侍中となりましたが、母の死去により辞職し、喪に服しました。閏5月には、持節・都督青冀二州諸軍事・輔国将軍・青冀二州刺史として任じられましたが、赴任することはありませんでした。8月には、都督益寧二州諸軍事・益州刺史に転任しました。益州に着任すると、少数民族である蛮や濮を討伐し、牂牁郡や越巂郡の内地化を図り、辺境地からの徴税を計画しました。泰始元年（465年）12月に明帝が即位すると、恵開は冠軍将軍となり、さらに平西将軍に転任しました。

泰始2年（466年）に晋安王劉子勛が反乱を起こすと、恵開もこれに呼応して挙兵しました。巴郡太守の費欣寿に2000人の兵を与えて東下させましたが、巴東の任叔児に敗れました。さらに、益州治中の程法度に3000人の歩兵を与えて梁州に進出させましたが、仇池の楊僧嗣に阻まれました。恵開の益州統治は刑罰を濫用していたため、蜀の人々からの人望がなく、敗戦の知らせが届くと、各地の郡が次々と離反し、成都にいる恵開を包囲しました。恵開が東から連れてきた兵は2000人に満たなかったものの、蜀出身者を疑って信用せず、城から追い出してしまいました。劉子勛が敗死すると、恵開は孤立を深めましたが、幾度も出戦して勝利を重ねました。明帝は恵開の弟である蕭恵基を派遣して説得を試み、恵開は明帝に帰順することを決意し、城の包囲は解かれました。

明帝は蕭恵開の一族である蕭宝首を派遣して益州を慰労させようとしましたが、蕭宝首は平蜀の功績を独占しようと企み、蜀の人々を扇動して成都から60里の地に20万人を号する大軍を集結させました。恵開は永寧郡太守の蕭恵訓や益州別駕の費欣業に1万の兵を与えて進軍させ、蕭宝首を破って生け捕りにし、成都県の獄に繋ぎました。明帝の命により、蕭宝首の身柄は建康に護送されました。恵開は晋平王劉休祐の下で驃騎長史・南郡太守に任じられましたが、この職は受けませんでした。泰始4年（468年）には、建康に召還されました。

泰始5年（469年）には、桂陽王劉休範の下で征北長史・南東海郡太守となりました。南東海郡太守のまま、再び晋平王劉休祐の下で驃騎長史とされました。泰始6年（470年）には、少府に任じられ、給事中の職務を加えられました。恵開は元々剛直な性格であったため、この頃は志を得られずに不遇を嘆き、住居の前にあった寺の境内の美しい草花を全て刈り取り、白楊の木を植えさせました。人に会うたびに「人生は胸に抱いたことを行うことができず、百歳の寿命があっても、なお短いものである」と語っていました。病に倒れ、大量の血を吐くようになり、巴陵王劉休若の下で征西長史・寧朔将軍・南郡太守に任じられましたが、この職も受けませんでした。泰始7年（471年）に、49歳でこの世を去りました。

子の蕭睿が後を継ぎましたが、南朝斉が建てられると、その爵位は剥奪されました。

伝記資料

『宋書』巻87 列伝第47
『南史』巻18 列伝第8

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