薛

薛（せつ）

薛は、中国と朝鮮にみられる姓です。中国では「シュエ」、朝鮮では「ソル」と発音します。

中国の薛姓

人口

中国における薛姓は、2020年の国勢調査によると、76番目に多い姓で、約363万人がいます。台湾では2018年の統計で59番目に多く、約5万人が確認されています。

起源

薛姓には、いくつかの異なる起源があります。

任姓薛氏: 公子登が沛（現在の薛の故地）に封じられた際、その子孫が薛を氏としたとされます。
風姓薛氏: 伏羲氏の末裔に由来する薛氏も存在します。
嬀姓薛氏 (陳氏・田氏): 孟嘗君（田文）の子孫が薛を氏としたとする説があります。
叱乾氏: 北魏時代に鮮卑族の叱乾氏が孝文帝の漢化政策によって薛氏に改姓したケースもあります。

著名な人物

中国の薛姓の著名人としては、以下のような人物が挙げられます。

薛礼: 後漢末の武将・政治家。
薛綜: 三国時代の呉の武将。孟嘗君（田文）の子孫。
薛道衡: 北斉から隋にかけての文学者。
薛挙: 隋末唐初に割拠した群雄の一人。
薛収: 唐の文学者、政治家。
薛仁貴: 唐の軍人。
薛稷: 唐の書家、画家。
薛濤: 唐の詩人。
薛居正: 北宋の歴史家。
薛岳: 中華民国の軍人。

架空の人物

物語の登場人物にも薛姓の人物が見られます。

薛宝釵: 『紅楼夢』の登場人物。
薛永: 『水滸伝』の登場人物。

朝鮮の薛姓

人口と分布

朝鮮における薛姓は「ソル」と読みます。韓国に多く見られる姓の一つです。

起源

薛姓の始祖は、新羅建国神話に登場する6村長の一人、薛居伯（ソル・ゴベク）であるとされています。彼は、朴赫居世（パク・ヒョッコセ）を推戴した功績により、習比部（スプビブ）の首長となり、その子孫が薛氏を賜りました。

本貫は淳昌薛氏（スンチャンソルシ）が大宗とされており、慶州（キョンジュ）も本貫としています。

著名な人物

朝鮮の薛姓の著名人には、政治家、スポーツ選手、俳優など、様々な分野で活躍する人物がいます。

薛昌洙: 韓国の国会議員。
薛枓廈: 韓国の国会議員。
薛仁洙: 韓国の国会議員。
薛勲: 韓国の国会議員（共に民主党所属）。
薛琦鉉: 韓国のサッカー選手。
ソル・ギョング: 韓国の俳優。

関連項目

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