藤原脩範

藤原脩範（ふじわら の ながのり）

藤原脩範は、平安時代後期に活躍した公卿・歌人です。藤原南家貞嗣流の流れを汲み、少納言・藤原通憲（信西）の五男として生まれました。最終的な官位は正三位・参議にまで昇りました。

経歴

脩範は、保元元年（1156年）の保元の乱後に六位蔵人に任ぜられ、間もなく従五位下に叙爵されました。父である信西が乱後に権力を掌握した影響もあり、脩範も急速に昇進を重ねます。保元2年（1157年）には従五位上・左兵衛佐、保元3年（1158年）には正五位下、保元4年（1159年）には左近衛少将に叙任されました。しかし、同年12月に勃発した平治の乱に連座し、官職を解かれて隠岐国への流罪となってしまいます。

翌永暦元年（1160年）には平安京に召し返され、本位に復して左近衛少将に還任されました。この時、名を脩憲から脩範に改めます。その後は後白河上皇の近臣として仕え、永暦2年（1161年）には従四位下、長寛2年（1164年）には従四位上、仁安2年（1167年）には正四位下と順調に昇進し、承安4年（1174年）には従三位に叙せられて公卿の仲間入りを果たしました。その後、左京大夫を務め、寿永2年（1183年）には正三位・参議に至りますが、同年11月に醍醐寺で出家し、兄である勝賢に従って真言宗を学びました。

歌人としても才能を発揮し、「別雷社歌合」などの歌会で作品を発表しました。勅撰歌人としても認められ、『千載和歌集』に3首、『新勅撰和歌集』に1首、『新後撰和歌集』に1首が採録されるなど、計5首が勅撰和歌集に収録されています。

系譜

父：藤原通憲（信西）
母：藤原朝子（紀伊局） - 藤原兼永の娘
妻：平範家の娘

長男：藤原範能

生母不詳の子女として、以下の人物がいます。

男子：範雅
男子：範信
男子：円顕
女子：平忠房室

藤原脩範は、激動の平安時代後期において、政治と文化の両面で足跡を残した人物と言えるでしょう。

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