藤原豊主

藤原 豊主の生涯

藤原豊主（ふじわら の とよぬし）は、平安時代初期の権力者であり貴族です。彼は藤原京家に属し、神祇伯であった藤原大継の子どもとして生まれました。豊主は正四位下の官位を持ち、播磨権守としても知られています。

経歴の概観

豊主の公正な出世は、弘仁14年（823年）に始まりました。1月には従五位下に叙爵し、さらに同年11月には従五位上へと昇進しました。この昇進は、淳和天皇の即位と深く関わっており、彼は淳和朝において近衛少将も務めました。特に天長8年（831年）には、天皇が南池院の離宮に行幸される際に、豊主は捕えた鮮魚を嵯峨上皇の居所である冷然院に献上するよう命じられる役割を果たしました。

仁明朝に入ると、承和5年（838年）に正五位下から従四位下への昇叙があり、さらにその後も出世し続けました。しかしながら、彼の業績は承和14年（847年）5月17日までであり、その日に彼はこの世を去りました。彼の最終的な官位は散位従四位下でした。

和歌と文化人としての側面

豊主は官職をこなす一方で、和歌を詠むことでも名を馳せました。彼は歌人の大友黒主と同じく、「藤豊主か伴黒主か」と称され、両者の才能は平安時代の和歌文化に大きな影響を与えました。豊主の詩は、彼の感受性や文化的背景を表現するものであり、今なお多くの人々に評価されています。

官歴の詳細

豊主の生涯と業績は『六国史』に記録されており、彼の官歴は以下のように整理されています：

• - 時期不詳：正六位上
• - 弘仁14年

- 823年 1月7日：従五位下
- 同年 11月20日：従五位上

• - 天長8年（831年） 8月4日：見近衛少将
• - 時期不詳：正五位下
• - 承和5年（838年） 1月7日：従四位下
• - 承和14年（847年） 5月17日：卒去（散位従四位下）

系譜

豊主の系図は彼の父である藤原大継（死亡年810年）に始まり、母に関しては資料が残っておらず不詳です。また、彼には生母不明の子女が一人いることが知られています。彼の息子には藤原氏岑が名を残しています。

脚注と文献

藤原豊主に関する情報は、森田悌による『続日本後紀 （上）』や『尊卑分脈 第二篇』などに記載されています。これらの資料は、彼の生涯を理解する上での重要な情報源となっています。

藤原豊主は、平安時代の貴族として、政治的な地位のみならず文化的な側面にも力を注いだ偉大な人物でした。

もう一度検索