藤原京家

藤原京家（ふじわらきょうけ）

藤原京家は、日本の平安時代における著名な一族で、右大臣である藤原不比等の四男である藤原麻呂を祖としています。この家系は藤原四家の一つに位置しており、左京大夫を兼任した藤原麻呂の名に由来しています。

概要

藤原京家は、藤原四家の中で最も発展が乏しかったと言われています。その理由として、藤原麻呂が四兄弟の中で最も若かったこと、彼の子女が少なかったために早世する者が多かったことが挙げられます。特に、唯一の参議に昇った浜成が氷上川継の乱に連座して流罪になったことが、京家全体の政治力を著しく制限する要因となりました。

それにもかかわらず、平安時代前半においては、藤原貞敏（琵琶奏者）、藤原冬緒（儒学者）、藤原興風（歌人）、藤原忠房（舞楽・歌人）など、多くの優れた文化人を輩出しました。特に藤原冬緒は長命であり、最終的に大納言に昇進することができました。また、桓武天皇の後宮に仕えた藤原河子との間に生まれた仲野親王が宇多天皇の外祖父となり、京家の血脈は女系を通じて皇室に結びついていきます。この繋がりは、現在にいたるまで続いているのです。

後世において、越後国の直江氏は自身を京家の末裔であると称していますが、太田亮が編纂した『姓氏家系大辞典』によれば、彼らは神姓に分類されるとしています。

一族の人物

藤原京家には多くの著名な人物が所属していました。以下にその代表的な一族のメンバーを挙げます。

• - 藤原浜成：麻呂の次男。
• - 藤原百能：麻呂の娘で、奈良時代末期の女官として右大臣藤原豊成の妻となり、尚侍従二位に至った。
• - 藤原継彦：浜成の子。
• - 藤原貞敏：継彦の子で、琵琶に優れている。
• - 藤原河子：浜成の孫で桓武天皇の宮人、仲野親王の母。
• - 藤原冬緒：浜成の孫で、儒学者として知られ、大納言に昇進した。
• - 藤原興風：平安中期において、『古今和歌集』の代表的な歌人の一人。
• - 藤原忠房：舞楽家であり、高麗楽を代表する作品を持つ歌人。
• - 元杲：貞敏の孫で、延命院の僧都として真言宗の小野・広沢両流に通じていました。

系譜

藤原京家は、その歴史や文化的貢献において日本の歴史上において重要な役割を果たしました。彼らの系譜は、特に文化面での影響力を持ち続け、平安時代を代表する一族となりました。

参考文献

• - 『新訂増補国史大系・尊卑分脉 第1篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編） ISBN 4642003622
• - 『新訂増補国史大系・尊卑分脉 第2篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編） ISBN 4642003630
• - 『新訂増補国史大系・尊卑分脈 第3篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編） ISBN 4642003649
• - 『新訂増補国史大系・尊卑分脉 第4篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編） ISBN 4642003657
• - 『新訂増補国史大系・公卿補任 第1篇』吉川弘文館 黒板勝美(編） ISBN 4642003568

このように、藤原京家は平安時代を通じて日本の貴族文化に多大な影響を与え、その血脈は今もなお続いているのです。

もう一度検索