藤原頼明

藤原 頼明（ふじわら の よりあき）

藤原頼明は、平安時代中期に活躍した貴族で、その生年は不詳ですが、万寿4年（1027年）に亡くなりました。彼は藤原北家の勧修寺流に属し、播磨守である藤原説孝の子供とされています。また、官職としては従四位下や美濃守を歴任しました。

経歴

頼明は一条朝の中期に、主殿助および蔵人所雑色を務めていました。この期間中の長保2年（1000年）には、右兵衛佐の藤原重尹との間に諍いがあり、彼は重尹の従者に拉致されるという事件に巻き込まれました。その後、彼は式部大丞に昇任しました。寛弘元年（1004年）には、式部の巡爵の順番が回ってきたものの、頼明が故・源重文の邸宅の倉代の封印を勝手に開けたことから、内大臣藤原公季から叙位を拒まれる事態が発生します。頼明はその後愁文を提出し、ようやく従五位下に叙爵されました。

その後、彼は一条朝に仕官し、太皇太后である藤原彰子に仕えるため、太皇太后宮大進の役職を務めました。寛仁4年（1020年）には右少弁を兼務し、その翌年の治安2年（1022年）に正五位下に叙せられました。万寿2年（1025年）には、従四位下及び美濃守に任官され、彼の受領が正式に転じました。しかし、万寿3年（1026年）に藤原彰子が出家したため、頼明は大進の職を解かれることとなりました。

万寿4年（1027年）3月には、盗賊による襲撃を受け、頼明の家人と泥棒との間で争いが起こり、その際に火災が発生しました。同年の内に美濃守在職中に彼は亡くなり、その後任には藤原庶政が急遽指名されました。

官歴

藤原頼明の官歴は以下の通りです。

• - 長徳4年（998年）11月16日：主殿助に任命
• - 同年12月23日：蔵人所雑色に任命
• - 寛弘元年（1004年）正月5日：式部大丞に任命
• - 正月6日：従五位下に叙爵
• - 後に従五位上と太皇太后宮大進に任命
• - 寛仁4年（1020年）11月29日：右少弁及び太皇太后宮大進に再任
• - 治安2年（1022年）正月7日：正五位下に叙爵
• - 万寿2年（1025年）正月5日：従四位下に叙爵
• - 同年1月29日：美濃守に任命
• - 万寿4年（1027年）3月7日：美濃守に再任

血縁関係

藤原頼明の家族については以下のような系譜があります。

• - 父: 藤原説孝
• - 母: 源信明の娘
• - 妻: 源懿子（源高雅の娘） - のちに藤原長家の妾に
• - 子供:

- 藤原惟任
- 藤原憲輔（?-1079） 彼の妻は藤原忠規の娘
- 藤原説頼
- 生母不詳の子女
- 藤原長照

参考文献

• - 『尊卑分脈 第二篇』吉川弘文館、1987年
• - 飯倉晴武校訂『弁官補任 第一』続群書類従完成会、1983年
• - 宮崎康充編『国司補任 第四』続群書類従完成会、1990年

藤原頼明の生涯は、平安時代の貴族社会の一端を示しており、彼の官職の昇進や、周囲との対立も当時の貴族の社会的な状況を反映しています。

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