藤波景忠

藤波景忠

藤波景忠（ふじなみ かげただ）は、江戸時代前期に生きた公卿であり、伊勢神宮の重要な役職である祭主を務めた人物です。

生涯

正保4年（1647年）、神宮祭主であった藤波友忠の子として誕生しました。幼い頃から神官としての道を歩み始め、万治4年（1661年）2月には、わずか15歳で叙爵を受けました。同年3月には祭主という重職に就任し、その才能を早くから開花させました。

その後も順調に昇叙を重ね、延宝6年（1678年）には従三位にまで昇進しました。しかし、天和4年（1684年）2月9日には、何らかの理由により鷁退（ぎゃくてい）し、正四位下まで官位が下がってしまいます。しかし、その2日後の11日には昇殿を許され、貞享2年（1685年）には従三位に復し、公卿に列せられるという異例の経歴を持ちます。

正徳4年（1714年）には、子の徳忠に祭主の職を譲り、自身は後進の育成に力を注ぎました。享保12年（1727年）、81歳という長寿を全うし、その生涯を閉じました。

官歴

藤波景忠の官歴は以下の通りです。

万治4年2月21日（1661年3月21日）：従五位下
万治4年2月25日（1661年3月25日）：神祇権少副
万治4年3月12日（1661年4月11日）：祭主
寛文2年12月14日（1663年1月23日）：従五位上
寛文4年1月5日（1664年2月1日）：正五位下
寛文7年2月23日（1667年3月17日）：従四位下
寛文9年12月24日（1670年2月14日）：従四位上
延宝6年11月21日（1679年1月3日）：従三位、神祇権大副
天和4年2月9日（1684年3月24日）：正四位下
天和4年2月15日（1684年3月30日）：刑部大輔
貞享2年2月8日（1685年3月12日）：兵部大輔
貞享2年9月10日（1685年10月7日）：従三位、神祇権大副如元
貞享4年2月24日（1687年4月6日）：神祇大副へ転任
貞享4年11月24日（1687年12月28日）：正三位
元禄11年12月27日（1699年1月27日）：従二位
正徳4年8月30日（1714年10月8日）：祭主を譲任
享保2年3月7日（1717年4月18日）：神祇大副を辞任
享保5年6月2日（1720年7月7日）：正二位

系譜

父：藤波友忠
母：家女房
姉妹：閑（しず） - 茂庭姓元室
妻：貞固
男子：藤波友麿
男子：藤波徳忠
男子：河辺忠長 - 河辺房長養子
男子：河辺隆亮 - 河辺房長養子
男子：河辺景英 - 河辺千長養子
男子：藤波富麿
男子：藤波徳麿
男子：千種有補
* 女子： - 勘解由小路光潔室

藤波景忠は、伊勢神宮の祭主として、また公卿として、江戸時代前期の社会において重要な役割を果たした人物です。その生涯は、日本の歴史と文化を理解する上で貴重な手がかりとなります。

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