街角のラブソング

街角のラブソング

「街角のラブソング」は、アイドルとして一世を風靡した南沙織の通算23枚目にあたるシングルとして、1977年7月21日にCBS・ソニーから発売されました。

楽曲と制作

このシングルの最大のトピックの一つは、作詞・作曲を初めてつのだひろ（現：つのだ☆ひろ）が手掛けた点です。つのだひろは、自身のヒット曲「メリー・ジェーン」などで知られるミュージシャンであり、当時の南沙織の楽曲に新たな風を吹き込みました。編曲は、多くのアイドル楽曲で知られる萩田光雄が担当しています。収録曲は、A面に表題曲「街角のラブソング」、B面に「青春（はる）の電車」が収められています。いずれの楽曲も、つのだひろが詞曲を担当し、萩田光雄がアレンジを手掛けています。

紅白歌合戦とキャリア

「街角のラブソング」は、南沙織にとって非常に重要な一曲となりました。この楽曲で、彼女は同年末の『第28回NHK紅白歌合戦』に出場を果たし、これが自身にとって通算7回目の紅白出場となりました。この時のパフォーマンス映像は、後に2006年6月14日に発売された35周年記念CD-BOX『Cynthia Premium』に収録されたDVDで視聴することが可能です。

南沙織は翌1978年に惜しまれつつ芸能界を引退したため、この年が最後の紅白出場となりましたが、1971年のデビュー以来、現役期間中に出場資格のあったすべての紅白歌合戦に出場するという快挙を成し遂げています。

ビジュアルの変化

本シングルの発売前後には、南沙織のビジュアルにも変化が見られました。それまで彼女のトレードマークであった、中央で分けた長い黒髪からヘアスタイルを変更したのです。このヘアチェンジについて、当時出演したフジテレビ系の音楽番組『夜のヒットスタジオ』で、彼女は「母親から、黒くて長い髪は重く見えるとのアドバイスを受けたため」と明かしました。

また、彼女自身が後に語ったところによると、この時期は「唯一、芸能人らしさを意識した」期間であったといいます。これは、楽曲やビジュアル面での変化と相まって、彼女のアーティストとしての新たな一面を見せた時期だったと言えるでしょう。

ミュージックビデオと収録作品

「街角のラブソング」にはミュージックビデオも制作されており、1984年11月21日に発売されたPV集『Hello!Cynthia』に収録されています。このビデオでは、街中を軽やかに歩いたり、オープンカーに乗ったり、カメラに向かってウィンクしたりと、従来のイメージとは異なる、よりカジュアルで生き生きとした南沙織の姿を見ることができます。

この楽曲は、シングルとしてだけでなく、その後の多くのアルバムやベスト盤にも収録されています。主な収録作品は以下の通りです。

街角のラブソング:
Hello!Cynthia
シンシア・ラブ
シンシア・メモリー
THE BEST / 南沙織 (1978年6月版以降の複数バージョン)
THE BEST / again 南沙織|THE BEST _ again 南沙織
南沙織ベスト Recall 〜28 SINGLES SAORI + 1〜
Cynthia Memories
GOLDEN J-POP/THE BEST 南沙織|GOLDEN J-POP_THE BEST 南沙織
CYNTHIA ANTHOLOGY
南沙織 THE BEST 〜 Cynthia-ly
ドーナツ盤型12cmCDコレクション
Cynthia Premium
GOLDEN☆BEST 南沙織 コンプリート・シングルコレクション
ゴールデン☆アイドル 南沙織
CYNTHIA ALIVE (Live)
SAORI ON STAGE (Live)
Good-by Cynthia (Live)

青春の電車:
Hello!Cynthia
Cynthia Memories
CYNTHIA ANTHOLOGY
ドーナツ盤型12cmCDコレクション
Cynthia Premium
* ゴールデン☆アイドル 南沙織

このように、「街角のラブソング」は、南沙織のキャリアにおいて、新たなサウンドへの挑戦やビジュアルの変化、そして変わらぬ紅白での活躍を示す、記憶に残る一曲です。

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