『GOLDEN☆BEST 南沙織 コンプリート・シングルコレクション』概要
2010年9月8日に
ソニー・ミュージックダイレクトより発売された『GOLDEN☆BEST
南沙織 コンプリート・
シングルコレクション』は、歌手、
南沙織(シンシア)が
1971年に
シングル「17才」でデビューしてから丸40周年を迎えるにあたり企画された、記念碑的なベストアルバムです。この作品は、様々なアーティストでリリースされている『
ゴールデン☆ベスト』シリーズの一つとして位置づけられます。過去には、
筒美京平氏が作曲した楽曲に特化した『GOLDEN☆BEST
南沙織 筒美京平を歌う』が同シリーズから登場していますが、
南沙織の全
シングル楽曲を網羅した企画としては、本作が初めてのリリースとなります。
収録内容:シングル曲の完全網羅と特筆点
この2枚組CDには、
南沙織そしてシンシア名義で発表された計33枚の
シングルのA面曲が全て収録されています。両A面として扱われた
シングルが2枚含まれており、そのうちの1枚である「ふりむいた朝/
気がむけば電話して」の
シングルバージョンは、通信販売用CDや限定生産のCD-BOXセットなどを除いた一般的な流通商品としては、1982年にCDが登場して以来初めて、1つのアルバムの中にまとめて収められました。これは、ファンにとって待望の収録形態と言えるでしょう。
また、過去のベストアルバム、例えば
1992年発売の『
南沙織ベスト Recall 〜28 SINGLES SAORI + 1〜』では権利関係などの理由から見送られることがあった
カバー曲「
カリフォルニアの青い空」が、本作には収録されています。これにより、
南沙織およびシンシア個人名義でリリースされたすべての
シングルA面曲が、このアルバム一枚で完全に揃うこととなりました。彼女の活動期間における
シングル作品の集大成として、極めて高い網羅性を誇る内容となっています。
ボーナストラックと付属特典
シングルA面曲に加えて、本作には2曲のボーナストラックが収められています。1973年発表の
シングル「
早春の港」のカップリング曲であり、前年のアルバムから
シングルカットされた「魚たちはどこへ」と、同じく1973年のスタジオアルバム『
20才まえ』に収録されていた「私の出発」です。これらの楽曲は
シングルA面ではありませんが、
南沙織が
1978年に開催したさよならコンサートでも披露されており、彼女のキャリアにおける重要な楽曲としてファンに親しまれています。
アルバムには、音楽作品としての魅力に加え、視覚資料としても価値のある特典が多数付属しています。オールカラーの
歌詞ブックレットには、過去に
シングルやアルバムのディスクジャケットで使用された写真の中から、別カットの写真が多く収められており、当時の
南沙織の様々な表情を見ることができます。また、楽曲タイトルは、可能な限り実際のジャケットに表記されていた書体やデザインが再現されています(一部色調が異なります)。
さらに、巻末には、
南沙織の当時の担当ディレクターを務めていた小栗俊雄氏への取材に基づいた、4ページにわたる貴重な
ライナーノーツが書き下ろしで掲載されています。これは、当時の制作秘話などが語り口調で記されており、作品の背景を知る上で大変興味深い内容です。CD帯の裏面には、小栗氏の略歴とともに、小栗氏に向けたシンシア本人からの短いコメントが印字されています。また、CDトレイの下部には、デビュー曲「17才」から「グッバイガール」までの初期から中期にかけての
シングル28枚のレコードジャケット写真が一覧で掲載されており、これまでの道のりを視覚的に辿ることができます。
1990年代以降にリリースされた
8センチCDサイズの
シングルジャケット写真は、
歌詞ページの各楽曲の箇所に添えられています。
収録楽曲
Disc 1には「17才」「
潮風のメロディ」「ともだち」「純潔」「
哀愁のページ」「
早春の港」「魚たちはどこへ」「
傷つく世代」「
カリフォルニアの青い空」「
色づく街」「
ひとかけらの純情」「
バラのかげり」「夏の感情」「
夜霧の街」「女性」「
想い出通り」「
人恋しくて」「
ひとねむり」が収録されています。
Disc 2には「ふりむいた朝」「
気がむけば電話して」「
青春に恥じないように」「
哀しい妖精」「
愛はめぐり逢いから」「
ゆれる午後」「
街角のラブソング」「木枯しの精」「春の予感 -
I've been mellow-」「
愛なき世代」「
Ms. (ミズ)」「グッバイガール(日本語)」「青空」「ファンレター -SO GOOD SO NICE-(Remix version)」「約束」「
よろしく哀愁」「
愛は一度だけですか」「初恋」「私の出発」が収録されています。
これらの楽曲は、
南沙織のキャリアを網羅するものであり、ボーナストラックを含め、合計35曲が収められています。
関連作品
本アルバムが属する『
ゴールデン☆ベスト』シリーズからは、『GOLDEN☆BEST
南沙織 筒美京平を歌う』のように、特定のテーマに沿った
南沙織のアルバムもリリースされています。また、同時期に人気を博し「
新三人娘」と称された
小柳ルミ子や
天地真理の
シングルコレクションも同シリーズから発売されており、さらに「
新三人娘」3人の楽曲を集めた『
GOLDEN☆BEST 新三人娘 〜天地真理・小柳ルミ子・南沙織〜』も存在します。これらの関連作品と合わせて聴くことで、当時のアイドルポップスシーンや彼女たちの軌跡をより深く理解することができるでしょう。