シンシア・メモリー

『シンシア・メモリー』

アルバム概要

『シンシア・メモリー』は、南沙織によって1977年11月1日にCBSソニーよりリリースされたベストアルバムである。この年は、南沙織にとってキャリアの集大成ともいえるベストセレクションが数多く発表された年であり、同年6月1日リリースの2枚組LP『シンシアのハーモニー』、同年10月1日リリースの3枚組LP『シンシア・ラブ』に続き、1977年に発表されたアナログ盤としては3作目のベスト盤にあたる。

特に、本作の最大の特徴は、1975年11月1日にリリースされた『南沙織ヒット全曲集 -1975年版-』以来となる、純粋なシングル曲のみで構成された作品集である点に挙げられる。これにより、ファンは南沙織のヒットシングルを一覧して楽しむことができる。

CDでの展開

アナログ盤として発表された『シンシア・メモリー』は、単体でCDとして復刻されたことはない。しかし、このアルバムに収められている全楽曲は、その後の様々なアイテムにおいてCD化が実現している。例えば、1998年11月21日にリリースされたベストアルバム『GOLDEN J-POP/THE BEST 南沙織|GOLDEN J-POP_THE BEST 南沙織』には、本作の収録曲全てが漏れなく収録されており、現在でもデジタル形式でこれらの楽曲を聴くことが可能となっている。

収録楽曲

『シンシア・メモリー』には、南沙織のキャリアを彩る代表的なシングル曲が選ばれている。LPレコードのA面、B面にそれぞれ7曲ずつ、合計14曲が収録されている。

Side A

17才（1971年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
※第22回NHK紅白歌合戦 歌唱曲
ともだち（1972年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
純潔（1972年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
※第23回NHK紅白歌合戦 歌唱曲
傷つく世代（1973年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
色づく街（1973年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
※第24回NHK紅白歌合戦 歌唱曲
ひとかけらの純情（1973年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平
夜霧の街（1974年）
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平

Side B

街角のラブソング（1977年）
作詞・作曲: つのだひろ、編曲: 萩田光雄
※第28回NHK紅白歌合戦 歌唱曲
哀しい妖精（1976年）
作詞: 松本隆、作曲: Janis Ian、編曲: 萩田光雄
青春に恥じないように（1976年）
作詞: 荒井由実、作曲: 川口真、編曲: 萩田光雄
気がむけば電話して（1975年）
作詞: 中里綴、作曲: 田山雅充、編曲: 萩田光雄
ひとねむり（1975年）
作詞: 落合恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 林哲司
人恋しくて（1975年）
作詞: 中里綴、作曲: 田山雅充、編曲: 水谷公生
※第26回NHK紅白歌合戦 歌唱曲
想い出通り（1974年）
* 作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 萩田光雄

これらの楽曲を手がけた作家陣には、有馬三恵子、筒美京平といった南沙織の多くのヒット曲を生み出した人物に加え、つのだひろ、松本隆、荒井由実（現：松任谷由実）、中里綴、落合恵子といった日本の音楽シーンを代表する面々が名を連ねている。また、編曲者としても萩田光雄、林哲司、水谷公生らが参加しており、各楽曲のサウンドを豊かに彩っている。特に、Side Aに収録された初期の代表曲の多くは、NHK紅白歌合戦でも披露されるなど、当時の大きな話題となった。本作は、南沙織の魅力を凝縮した、シングルヒット曲による貴重なコレクションと言えるだろう。

関連情報

本作に関連するアルバムには、『南沙織ヒット全曲集 -1975年版-』や、後にリリースされた複数のベスト盤が存在する。また、楽曲の発表年については、関連項目として1971年から1977年までの音楽シーンが関連付けられている。

本アルバムの制作に関わった主要人物としては、作詞家の有馬三恵子や作曲家・編曲家の筒美京平の名前が特筆される。

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