衛藤即応

衛藤 即応（えとう そくおう）

衛藤即応（1888年4月14日 - 1958年10月13日）は、日本の仏教学者であると同時に曹洞宗の僧侶でもあり、文学博士の学位を有しています。彼は1953年に駒澤大学の総長に就任し、近代曹洞宗の宗学を確立するために多大な貢献をしました。彼の号は不喚です。

来歴

衛藤即応は大分県宇佐郡駅館村、現在の宇佐市に生まれました。彼は雲栖寺で僧侶として得度を受け、その後、心月院で弘津説三に弟子入りしました。その後、大応寺の住職を務めました。

1904年、彼は曹洞宗大学（現在の駒澤大学）に入学し、1912年には京都帝国大学の文学部で印度哲学を専攻して卒業しました。この間、彼は曹洞宗大学の教授として教職に就くことになります。1921年から1924年まで彼はイギリス、フランス、ドイツに留学し、帰国後は駒澤大学で教授を務めました。1928年には京都市の安泰寺の住職に就任しました。

衛藤はまた、1937年に「道憲寮」という学寮を創立し、学生の教育にも尽力しました。1944年には、彼の著作『宗祖としての道元禅師』が評価され、京都大学より文学博士の学位を授与されました。駒澤大学の部長を経て、1953年には大学の総長に就任し、組織仏教や宗学序説を講じて宗門の近代化に尽くしました。

著書

衛藤即応は多くの著作を残しました。特に目を引くものに、国訳として発表された『華厳経』や、校注を行った『正法眼蔵』があります。また、『栄西と道元』や『大乗起信論講義』という著作もあります。その他、彼の著作には以下のようなものがあります。

• - 『大蔵経講座 第12巻 大乗起信論講義』東方書院（1934年）
• - 『大乗起信論 経典解説』名著出版・大蔵経経典解説（2018年）
• - 『宗祖としての道元禅師』岩波書店（1944年、復刊1994年）
• - 『正法眼蔵序説 弁道話義解』岩波書店（1959年、復刊2001年）
• - 『道元禅と念佛』渓声社（1968年）
• - 『道元禅師と現代 衛藤即応博士遺稿集』春秋社（1980年）
• - 『道元禅師の宗教と現代』春秋社（2000年）

また、編訳や校注を行った書籍には次のようなものがあります。

• - 『大乗起信論選註 新訳対照』編 森江書店（1915年）
• - 『国訳大蔵経 経部 第5-7巻 大方広仏華厳経』国民文庫刊行会（1917年、大東出版社 1981年）
• - 道元『正法眼蔵』（上中下） 岩波文庫（1939-43年、改版1959年、名著普及会 1986年、復刻・一穂社 2004年）

衛藤即応の学問的な業績は、曹洞宗の理解と実践に大きな影響を与え、現代における仏教の普及にも貢献しました。彼の教えや著作は、仏教の深い理解を求める人々にとって、今なお大きな価値を持っています。

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