裏銀座

裏銀座縦走コース

北アルプスの深部に位置する「裏銀座縦走コース」は、日本の主要な山岳ルートの一つとして知られています。この名称は、長野県側の高瀬ダム近くにあるブナ立尾根の登り口を起点とし、烏帽子岳、野口五郎岳、鷲羽岳、双六岳といった北アルプスの名峰を連ねて縦走し、最終的に多くの登山者が目指す槍ヶ岳に至る長大な登山道群を指します。特に、双六岳から槍ヶ岳へ向かう際には、西鎌尾根と呼ばれる特徴的な稜線を進みます。

この裏銀座コースは、同じく槍ヶ岳を目指す人気のルートである「表銀座コース」（中房温泉から燕岳、大天井岳を経て槍ヶ岳に至る）と対比されることがよくあります。表銀座が比較的登山者が多く賑やかな雰囲気であるのに対し、裏銀座はその行程の長さゆえに歩く人の数が少なく、より静かで落ち着いた山旅を求める登山者に選ばれる傾向があります。数日にわたる厳しい行程を踏破することで得られる達成感と、人影まばらな雄大な稜線から眺める手つかずの自然景観が、裏銀座ならではの最大の魅力と言えるでしょう。

「裏銀座縦走コース」はしばしば簡潔に「裏銀座」と称されます。この「裏銀座」という言葉は、単に特定の縦走ルートを指すだけでなく、この縦走路が通過する、あるいは周辺に広がる山々全体、すなわち広範な山域を包括的に示す名称としても用いられています。例えば、裏銀座の山々として列挙される烏帽子岳や水晶岳などは、必ずしも厳密な縦走路の直上を通過するわけではありませんが、「裏銀座」という山域の一部として認識されています。

裏銀座に含まれる主な山々

裏銀座縦走コースとその周辺山域に含まれる主な山々は以下の通りです。

• - 烏帽子岳 (2,628 m)
• - 三ツ岳 (2,845 m)
• - 野口五郎岳 (2,924 m)
• - 真砂岳 (2,862 m)
• - 水晶岳 (2,986 m) （縦走路からやや離れた場所に位置する）
• - ワリモ岳 (2,888 m)
• - 鷲羽岳 (2,924 m)
• - 三俣蓮華岳 (2,841 m)
• - 双六岳 (2,860 m)
• - 樅沢岳 (2,755 m)
• - 槍ヶ岳 (3,180 m)

これらの山々は、それぞれ異なる個性的な山容や展望を持っています。

コース沿いの主な山小屋

裏銀座縦走コースを利用する登山者のための主な山小屋は以下の通りです。

• - 烏帽子小屋
• - 野口五郎小屋
• - 水晶小屋
• - 三俣山荘
• - 双六小屋
• - 槍ヶ岳山荘

これらの山小屋は、長大な行程における重要な宿泊拠点となります。

関連情報

裏銀座縦走コースに関連する主な事柄は以下の通りです。

• - 飛騨山脈
• - 表銀座
• - 西銀座ダイヤモンドコース
• - 小池新道
• - 槍ヶ岳

裏銀座は、北アルプスの壮大さを肌で感じられる、経験者向けの本格的な縦走コースと言えるでしょう。事前の準備と計画が非常に重要となります。

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