西大路家

西大路家（にしおおじけ）は、悠久の歴史を誇る公家、華族の家系です。そのルーツは藤原北家四条流に遡り、羽林家という高い家格を有していました。華族制度下においては子爵の爵位を授けられました。

西大路家の起源については諸説あり、古文書によっては四条隆綱を祖とするもの、また孫の四条隆政を祖とするものも存在します。しかし、西大路という家名が明確に用いられるようになったのは、西大路隆仲の代からとされています。隆仲以降、西大路家は代々公卿を輩出し、朝廷において重要な役割を果たしました。しかし、西大路隆範の代に、一時的に家系の途絶える時期がありました。

その後、広橋総光の子である西大路隆郷が西大路家を再興。宝永5年（1708年）には公卿に昇進し、以降幕末まで、西大路家は代々公卿の地位を継承し続けました。

西大路家の家業は書道であり、伝統的な書道の技法を受け継いできました。家紋は田字草（四つ片喰）で、江戸時代の家禄は100石でした。これは、公家の中でも中規模程度の規模であったと言えるでしょう。

明治維新後、明治2年（1869年）に実施された行政官達により、公家と大名家が統合され、華族制度が誕生しました。西大路家は、公家としての歴史と家格を認められ、華族に列せられました。

明治17年（1884年）7月7日、華族令の施行により華族の爵位が五爵制になると、西大路隆修は、大納言直任の例がない旧堂上家として子爵に叙せられました。これは、西大路家の高い家格と歴史が認められた証左と言えるでしょう。

西大路隆修の養子である西大路吉光（実父は竹屋春光子爵）は、貴族院の子爵互選議員に当選し、国政にも参画しました。これは、西大路家が明治時代以降も政治的な影響力を持っていたことを示しています。

西大路家の歴史は、平安時代から明治時代まで、日本の歴史と深く関わっています。公家として、そして華族として、朝廷や政府において重要な役割を果たしてきた西大路家の歴史は、日本の歴史を研究する上で重要な資料となります。その系譜や家業、そして華族としての地位は、日本の歴史における貴族社会のあり方を理解する上で貴重な知見を与えてくれます。

西大路家の歴史を研究する上で参考となる文献としては、浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』、小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』、華族大鑑刊行会『華族大鑑』、橋本政宣編『公家事典』、霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』などがあります。これらの文献は、西大路家のみならず、当時の貴族社会の実態を理解する上で貴重な情報を提供しています。

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