西尾市立一色学びの館

西尾市立一色学びの館は、愛知県西尾市一色町に位置する公共施設です。この施設は、一色地域文化広場の核となる存在であり、図書館と資料館の機能を兼ね備えています。1988年（昭和63年）11月に幡豆郡一色町の「学びの館」として開館し、2011年（平成23年）4月1日の市町村合併に伴い、現在の西尾市立一色学びの館に名称が変更されました。西尾市立図書館の分館として、地域住民の学習や文化活動を支える重要な役割を担っています。2022年（令和4年）4月からは、株式会社エムアイシーグループが指定管理者として施設の管理運営を行っています。

歴史

開館前

1971年（昭和46年）4月、一色町には一色町勤労青少年ホームが開館し、館内にホーム図書室が設けられました。図書館がまだ設置されていなかった時代には、愛知県図書館の移動図書館車「いずみ号」が一色町を巡回していました。1978年（昭和53年）4月には一色町立一色中学校が坂田地区に移転したことに伴い、1980年度と1981年度の2か年事業として一色町公民館が建設されました。1981年（昭和56年）11月1日には一色町公民館が開館し、同年12月には公民館図書室が一般に開放されました。

1986年度（昭和61年度）には、一色町公民館を含む敷地が愛知県と一色町が共同で整備を進める一色地域文化広場に指定されました。一色地域文化広場は、広大な敷地面積約27,600m²を有する総合的な文化広場であり、愛知県下の13の広域行政圏の中で11番目の複合文化施設として整備されました。1986年（昭和61年）11月には、一色町公民館の隣接地に一色町生きがい健康センターが着工され、1988年（昭和63年）11月8日に開館しました。

学びの館(1988-2011)

1987年（昭和62年）7月8日、一色町公民館の隣接地に「学びの館」が着工され、1988年8月31日に完成、同年11月8日に開館しました。一色町公民館と一色町生きがい健康センターは一色町の事業として建設・整備されましたが、「学びの館」は愛知県の事業として建設され、総工費5億8853万円は全額県費で賄われました。「学びの館」の開館に伴い、一色町公民館図書室は閉室となりました。

1989年（平成元年）1月28日にはおはなし会が初めて開催され、同年2月1日には雑誌と紙芝居の貸出が開始されました。高齢者への配慮が行き届いていると評価され、1992年度（平成4年度）には愛知県高齢化対策室から愛知県快適空間賞を受賞しました。1993年（平成5年）12月5日には、開館5周年を記念したコンサートが開催され、同年4月15日には複製絵画の貸出が開始されました。開館当初の開館時間は「9時-18時」でしたが、1995年（平成7年）4月には「10時-18時」に変更されました。1996年（平成8年）3月には、延べ入館者数が100万人を突破し、同年8月1日には貸出冊数が5冊から10冊に倍増されました。

2002年（平成14年）4月には、開館時間が再び「9時-18時」に変更され、同年4月3日にはブックスタート事業が開始されました。2005年（平成17年）4月1日には図書館部分の業務委託が開始され、2007年（平成19年）2月1日には幡豆郡三町図書館広域システムが開始され、吉良町の吉良町立図書館、幡豆町の幡豆町立図書館とオンラインで結ばれました。これにより、各図書館のウェブサイトから他館の蔵書の検索や予約が可能となり、3館で計30万冊の蔵書を共有し、週1回の集配車による運搬回収と宅配便を併用するシステムが導入されました。

西尾市立一色学びの館(2011-)

2011年（平成23年）4月1日、旧西尾市、一色町、吉良町、幡豆町の1市3町が合併し、新西尾市が発足したことに伴い、「学びの館」は西尾市立一色学びの館に改称しました。この改称を機に、祝日の翌日も開館日とし、展示室の開館時間も施設全体の開館時間に合わせました。2013年（平成25年）10月には、西尾市の市制60周年記念事業として、特別展示「船頭重吉展」が開催されました。

西尾市はPFI方式による公共施設再配置を進めており、2017年（平成29年）9月から工事のために長期休館に入りました。大規模な改修工事を経て、2018年（平成30年）4月にリニューアルオープンしました。これまで図書館部分の開架は1階のみでしたが、学習室があった2階も開架とし、1階には子供が寝そべって絵本を読める円形の閲覧スペースや、料理、健康、旅など生活に関する一般書を配置し、親子が一緒に過ごせる工夫が凝らされました。リニューアルを機に指定管理者制度が導入されました。

施設

図書館

1階：絵本と暮らしのフロア
1階は図書館のメインフロアで、児童書と絵本を中心に配架しています。また、子どもを連れた親が本を探しやすいように、生活や育児に関する一般書や雑誌も配架しています。絵本に囲まれた読み聞かせスペースがあり、フロア中央部は「五感ゾーン」となっています。
2階：郷土資料と知のフロア
2階には、一般書に加えて、郷土資料、参考図書、ヤングアダルト、視聴覚コーナー、レファレンスカウンターなどが設けられています。

展示館

展示館部分は3つのゾーンに分かれており、1階から3階までの3層構造となっています。中央部は3層分の吹き抜けとなっており、三河一色諏訪神社の三河一色大提灯まつりで用いられる直径5.6メートル×高さ10メートルの大提灯が常設展示されています。また、鳥羽神明社で開催される鳥羽の火祭りなどの展示ゾーンも設けられています。

「三河一色大提灯まつり」ゾーン
「鳥羽の火祭り」ゾーン
「にしおをつくってきた風土」ゾーン

交通

交通手段は、ふれんどバス「一色町公民館東」バス停下車後、徒歩3分です。かつては名鉄三河線三河一色駅が最寄駅でしたが、2004年（平成16年）4月1日に三河一色駅を含む三河線の末端区間が廃止されたため、公共交通機関ではバスが唯一の交通手段となっています。

脚注

参考文献

一色地域文化広場学びの館『学びの館年報平成19年度実績』一色地域文化広場学びの館、2008年。
一色町誌編纂委員会『一色町二十五年誌』一色町、1994年。
一色町長公室広報広聴課『一色町60年のあゆみ町制施行60周年記念』一色町、1983年。
西尾市立図書館『図書館のあゆみ平成30年度版（平成29年度実績）』西尾市立図書館、2018年。

関連項目

西尾市立図書館
愛知県の図書館一覧

外部リンク

公式ウェブサイト
* 西尾市立一色学びの館 - カーリル

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