西方寺 (仙台市)

定義如来 西方寺（さいほうじ）

西方寺は、宮城県仙台市青葉区大倉に位置する浄土宗の寺院で、山号を極楽山と称します。一般には「定義如来（じょうぎにょらい）」の名で広く知られ、地元の人々からは「定義さん」と親しみを込めて呼ばれています。

名称について

当寺は正式名称の「西方寺」や山号の「極楽山」で呼ばれることは少なく、一般的には「定義如来」「定義山」という名称が用いられます。また、門前町を含む周辺一帯も「定義」と呼ばれています。仙台弁では「定義」を「じょうげ」と発音することから、地元の小字も「上下（じょうげ）」となっています。国土地理院の地形図や戦後の進駐軍作成の地図でも「JOGE」と表記されています。しかし、宮城県庁や仙台市役所、観光業界などでは共通語の発音に合わせ「じょうぎ」と表記しており、現在では「じょうげ」と「じょうぎ」の二つの発音が混在しています。

縁起・歴史

西方寺には、平重盛の重臣・平貞能が壇ノ浦の戦いの後、この地に隠れ住んだという平家落人伝説が残っています。貞能は安徳天皇と平氏一門の冥福を祈り、阿弥陀如来を安置し、自らも「定義」と改名したと伝えられています。この「定義」を「じょうぎ」と音読みしたことから、阿弥陀如来は定義如来と呼ばれるようになり、この地も「定義（じょうげ）」「上下（じょうげ）」と呼ばれるようになったとされています。

年表

1198年（建久9年）：平貞能が60歳で亡くなり、従臣が遺言に従い墓に小堂を建て、阿弥陀如来の宝軸を安置。
1706年（宝永3年）：早坂源兵衛が出家し観蓮社良念と称し、「極楽山 西方寺」を創立。
1927年（昭和2年）：平貞能の墓所の上に旧御廟を覆う新御廟が完成。
1930年（昭和5年）：現在の鐘楼が完成。
1931年（昭和6年）：現在の山門が完成。
1933年（昭和8年）：仙台敬信定義講が梵鐘を寄進。
1986年（昭和61年）：宮城県初の五重塔が落慶。
1999年（平成11年）：現在の本堂が完成し、本尊を御廟から移転。

境内

境内は無料で全ての施設を利用できます。

旧本堂地区

山門
御廟貞能堂：平貞能の墓所の上に建てられた旧御廟を覆う形で建立。
旧本堂：現在は御廟の鞘堂として利用。
延命地蔵尊
勝軍地蔵
鐘楼
伊達家の梅：伊達邦宗の妻・巨梅が子宝祈願に訪れた際、子を授かったことから奉納。

裏山

熊野神社
天皇塚（連理の欅）：安徳天皇の冥福を祈り、遺品を埋めて墓標に植えた2本のケヤキが1本になったとされる。縁結びの神木として信仰を集める。
長命水：湧き水

大本堂地区

大本堂：貞能没後800年の1999年に落慶。
子育観音

庭園地区

五重塔
庭園
玉手箱
茶室

門前町・周辺

西方寺は奥羽山脈の麓、大倉川沿いに位置し、古くから参拝者を集めてきました。門前町には民宿や土産物店が立ち並び、特に名物の「三角あぶらげ」は人気を集めています。年間100万人前後の観光客が訪れ、仙台都市圏の若いカップルのデートスポットや、ファミリー層のドライブコースとしても人気があります。

平家落人伝説や縁結び、安産のご利益があるとされ、仙台では流行り神の一つとして親しまれています。週末には駐車場が混雑し、門前町も賑わいます。周辺は豪雪地帯であり、かつてはスキー場も存在しましたが、現在はモータースポーツ施設やアウトドア施設が点在しています。また、樺太引揚者の開拓地も存在します。

西方寺には「浄土くん」という公式キャラクターが存在し、看板や人形として境内に設置されています。

周辺観光施設

温泉：定義温泉（療養施設）、作並[[温泉]]、秋保温泉
モータースポーツ：仙台ハイランド、MOTOFIELD MASH!、仙台定義アウトドアスポーツパーク
その他：ニッカウヰスキー仙台工場 宮城峡蒸溜所、大倉牧場、大倉ダム、泉ヶ岳、七北田ダム

アクセス

仙台市営バス：JR仙台駅西口から定義行きのバスに乗車（約75分）、またはJR仙山線・陸前白沢駅から定義行きのバスに乗車。
* 車：東北自動車道・仙台宮城ICから約40分。無料駐車場あり。

その他

西方寺は、歴史と自然に彩られた魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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