寺西俊一

寺西俊一について

寺西俊一（てらにし しゅんいち、1951年 - ）は、日本の著名な経済学者であり、環境経済学の分野で多大な貢献をしています。一橋大学名誉教授の肩書きを持ち、その専門知識と研究成果は、学術界だけでなく、環境政策の現場にも大きな影響を与えています。

生い立ちと学歴

石川県で生まれ育ち、京都大学経済学部経済学科を卒業後、一橋大学大学院経済学研究科で修士課程を修了しました。その後、同大学院の博士課程を単位取得退学し、経済学の研究者としての道を歩み始めました。

研究活動

寺西教授は、環境経済学を専門とし、特に環境問題と経済活動の関連性について深く研究しています。彼の研究は、環境問題の解決策を経済学的な視点から探求し、持続可能な社会の実現を目指すものです。環境経済・政策学会の会長や日本環境会議の理事長など、数々の要職を歴任し、学会や政策提言の分野でも中心的な役割を果たしてきました。また、環境省中央環境審議会委員も務め、政府の環境政策にも貢献しました。

職歴

一橋大学では、経済学部の専任講師から教授へと昇進し、長年にわたり教鞭を執りました。ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス地理学部客員研究員としての経験も持ち、国際的な視点からも環境問題を考察しました。一橋大学退職後は、帝京大学経済学部経済学科教授として、後進の育成に力を注いでいます。また、慶應義塾大学、上智大学、千葉大学、中央大学、京都大学、東京工業大学、フェリス女学院大学、放送大学など、様々な大学で教鞭を執り、幅広い分野で教育活動を展開しました。

学会活動

環境経済・政策学会では、副会長、会長を歴任し、同学会の発展に大きく貢献しました。日本環境会議の理事長としても、環境問題に対する社会的な関心を高め、具体的な政策提言を行っています。

著書

寺西教授は、数多くの著書を執筆・編集しており、その研究成果を広く社会に発信しています。

単著

『地球環境問題の政治経済学』（東洋経済新報社、1992年）

共著

『これからの日本を読む』（労働旬報社、1987年）
『環境経済学』（有斐閣、1991年）

共編書

『グローバル・エコノミーと地域経済』（自治体研究社、1988年）
『公害環境法理論の新展開』（日本評論社、1997年）
『地球時代の自治体環境政策』（ぎょうせい、2002年）
『環境再生 ―川崎から公害地域の再生を考える―』（有斐閣、2002年）
『岩波講座　環境経済・政策学<第4巻>　環境保全と公共政策』（岩波書店、2002年）
『新しい環境経済政策 ―サスティナブル・エコノミーへの道―』（東洋経済新報社、2003年）
『自動車リサイクル ―静脈産業の現状と未来―』（東洋経済新報社、2004年）
『地域再生の環境学』（東京大学出版会、2006年）
『地球環境保全への途 ―アジアからのメッセージ』（有斐閣、2006年）
『自然資源経済論入門1　農林水産業を見つめなおす』（中央経済社、2010年）
『自然資源経済論入門2　農林水産業の再生を考える』（中央経済社、2011年）
『公害環境訴訟の新たな展開　権利救済から政策形成へ』（日本評論社、2012年）
『自然資源経済論入門3　農林水産業の未来をひらく』（中央経済社、2013年）
『ドイツに学ぶ　地域からのエネルギー転換』（家の光協会、2013年）
『自立と連携の農村再生論』（東京大学出版会、2014年）
『農家が消える：自然資源経済論からの提言』（みすず書房、2018年）
『輝く農山村：オーストリアに学ぶ地域再生』（中央経済社、2018年）

共訳書

『統合ドイツとエコロジー』（古今書院、1994年）
『東アジアの環境問題 ―「奇跡」の裏側―』（東洋経済新報社、1996年）

監修書・責任編集書

『アジア環境白書』（東洋経済新報社、1997年、2000年、2003年、2006年、2010年）
『環境共同体としての日中韓』（集英社、2006年）
* 『公害文献大事典―1947(昭和22)年～2005年(平成17)年』（日本図書センター、2006年）



これらの著書は、環境経済学の分野における重要な文献として、多くの研究者や学生に読まれています。

受賞歴

寺西教授は、その長年の研究活動と社会貢献が評価され、アジア・太平洋環境会議功労賞や明日への環境賞を受賞しています。

まとめ

寺西俊一教授は、環境経済学の分野において、研究、教育、政策提言の各方面で多大な貢献をしてきた人物です。彼の研究は、持続可能な社会の実現に向けた重要な指針を提供しており、今後もその活動から目が離せません。

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